SSブログ

ブランドや肩書きに左右される人たち。尊敬と嫉妬の間... [映画業界物語]

12079191_911709685570003_3364280728608629306_n.jpg

【ブランドや肩書きに左右される人たち。尊敬と嫉妬の間...】

これまでの僕の映画は新人がメインでベテラン俳優が脇を固めるというスタイルだったが、今回の「向日葵の丘」はトップランナーであり、国民的俳優である人たちがメインで活躍する初めての作品である。

その意味でこれまでとは違う反響があり、国民的な俳優の力の凄さを今も痛感している。「監督。今回は凄いですねー」「よく出演してくれましたね!」「監督の力が認められて来た証ですねー」とか、いろんな人にいろんなことを言われる。でも、やはり、トップランナーの実力は凄いものがあり。作品クオリティも高いものが出来た。その辺は本当に感謝だ。

しかし、同時にこんなことを言う業界人も出て来た。「有名俳優に出てもらって調子に乗ってないか?」「何か最近、お前、変わったなあ〜態度がでかいぞ?」とかいう業界の人もいる。僕は何も変わらない。そもそも、有名俳優に出てほしくてキャスティングしたのではなく、役にふさわしい俳優さんたちを選んだだけであり。有名かどうか?は本来関係ない。

何でそれを分かってもらえないのだろう?と、批判する人たちのことを考えると、彼らの関わる作品に有名俳優が出ていない人が多い。超低予算の作品が多い。だから「悔しい」「何であいつなんかの映画に! あんなスゴイ俳優が....」と思われ、批判の対象となってはいないか?

11143656_877715292302776_9217544455780874250_o.jpg

僕自身は今までと同じ態度でいても「態度がデカい!」「傲慢だ!」と言われる(ま、傲慢なのには昔から。映画監督をやるような奴は皆、傲慢なのだ!)。業界だけではない。先日も、お世話になった方になかなかお礼状を書く時間がなかったのを、ようやく出すことができた。ら、「偉くなったので、私なんかに返事はくれないと思ってましたよ」と言われた。偉くなんかなっていないし、時間がないので連絡できなかっただけだ。でも、そんなふうに解釈される。

僕自身が大監督として認められ、評価されたのなら分かるが、有名俳優と仕事しただけ。なのに、こんなふうに妬まれたり、皮肉られたりするとは驚き。だが、先にも書いたが、多くの方が喜んでくれたり、映画が話題になったりとメリットも大きい。

それにしても人というのは、ブランドや肩書きに左右されること痛感する。東大を出ているから「偉い」。一流企業で働いているから「凄い」。そんなふうに、その人の中味を知らないのに、尊敬したり、妬んだり。今回は有名俳優がたくさん出ているというブランドとして、捉えた人が多いということ。でも、本当は肩書きやブランドではなく、その人がどう考えているか? どんな夢を持っているか? どう、がんばっているか? そんなことで評価すべきなのだと思う。

ただ、ものごとをしっかりと見ない人は、肩書きやブランドでものごとを判断する。それではいけない。それに振り回されても無意味。昔からそう考えているのだが......。

m_10460181_802083253199314_5461131442902814349_n-ed9e9.jpg

横浜は1980年から5年住んだ。その思い出の町で「向日葵」公開! [全国公開]

12122509_911673222240316_5916116171244246706_n.jpg


 横浜は1980年から5年住んだ町

 そこで映画学校にちょこっとだけ行き、すぐに辞めて

 自主映画活動をし、助監督をし

 青春時代を過ごした。

11894073_890392344368404_7316689093743034840_o.jpg

 「向日葵の丘」で登場する8ミリ映画撮影の話も

 そんな頃の思いでをベースにしている。

12143177_910600182347620_8654993162955604109_n.jpg

 その青春の地。横浜で「向日葵」が上映され

 初日に長い列ができたこと

 感無量だ。

12108248_911631665577805_6676457069108862138_n.jpg


12096594_911074218966883_100363552745259685_n.jpg

【初日舞台挨拶に席を取れ!という友人。勘違いする困った人たち】 [映画業界物語]

IMG_0284.jpg

映画が公開初日になると、思い出す話がある。僕の作品が公開初日を迎える前、友人からこんな連絡が来た。

「初日の舞台挨拶。友人と観に行くので5席押させてほしい」

はあ? 何それ? 何でそんなことしなきゃいけないのか? もちろん、映画を観てくれるのは嬉しい。だが、初日舞台挨拶はたいていの場合は争奪戦になる。出演者のファンが前日から並んだりする。その頃はまだネット予約もなく、早く行って並ぶ!ことで席をゲットできたのだ。

それを並ばずに事前に手をまわして席を、それも5席も押さえろとはどういうことか? もし、友人が連れて来る人たちがマスコミ関係者で、映画の記事を新聞に書いてくれる。或はテレビで紹介してくれるというのなら宣伝になるので考えるが、単なる友人なら席を押さえることはできない。

20070618662.jpg

初日というのは映画公開にとってとても大事な日であり、ヒットするか? しないか?を決める。その日は関係者ではなく、一般の人に観てもらい、口コミを広げてもらうことが大事。そんな日に友人を呼んでも、映画の口コミは広がらない。友人はすでに映画の存在を知り、いずれかの機会に観てくれるだろう存在。初日である必要はない。

出演者のファンが初日に観てくれてこそ、その感動や喜びをあちこちで話してくれてこそ意味がある。その旨、友人に話すと、連れてくるのはマスコミ関係者ではなかった。「でも、彼らは友達が多いので、あちこちで宣伝してくれるよ〜」というが、どーだかなぁー。詳しく聞くと単に人気上昇中の出演者たちの舞台挨拶を観たいというだけのようだ。

彼らは友人が僕と親しいので、頼めば裏から手をまわしてもらえると思ったようだ。そして「友達が多いから宣伝する」とメリットがあるかのようにアプローチした。だったら、宣伝しなくていい。本当に観たければ他の人と同じように前日から並べ! 

何より、僕と親しいから、宣伝するから。という理由で「初日に席を取れ」というのはダメ。初日は関係者ではなく、一般のお客様のもの。その一般のお客様に来てもらうために、出演者が勢揃いするのだ。それを友人だから、関係者だからと裏から頼んでくるのは絶対に許さない。そう告げると友人はこういう。

「だったら、2日目にもう一度、舞台挨拶をしてよ。でないと、僕の顔が立たない!」

やはり、「監督とは親しいから、席を取らせるよ」とかいっていい顔をしたのだろう。だが、そもそも、監督の一存で舞台挨拶はできない。出演者のスケジュール。映画館側の都合。それらを何ヶ月前から配給会社が調整して行うのだ。数日前に言われてできるものではない。それ以前に単に若手女優を生で観たいだけの連中のために、2度も舞台挨拶をする必要はない。

IMG_0324.jpg

映画に貢献した訳でなない。会ったこともない。いや、映画に貢献していたとしても、初日に席を取るというのは筋違い。初日は一般のお客様のものだ。観たければ朝から列に並ぶのが筋。それでダメなら仕方のないこと。もう、その友人との縁が切れてもいいと思い断った。僕はその辺、真面目で、友人でも、プロデュサーでも、スポンサーでも、筋の通らぬことはできない。だから損をすることが多い。

でも、友人のせいで5人の一般のお客が映画を観られなくなるのは、あまりにも理不尽。前日から並べばいい。運がよければ当日でも入場できるはずだ。万が一、満員御礼で当日、入れないと嫌なので、裏から手をまわして来ただけなのだ。もちろん、初日に特別招待をする方々もいる。が、皆、それなりの意味がある。単に若手女優を生で観たいというのとは違う。

友人は「だったらいい!」と怒っていた。が、そんな理不尽を通そうとする奴と友達関係を続ける必要はない。結局、彼は上映終了間近に映画館で観てくれたらしい。連れてくるはずだった友人は誰も映画を観ないで終わった。友人は「詰まらない映画だった!」と酷評。そもそも、彼の趣味でないことは分かっていた。が、今も交流は続いている。

ただ、僕が融通の効かない奴だと分かってくれたようだ。映画は身内に便宜を計るより、一般のお客様に観てもらうことが何よりも大事なのだ。

m_10460181_802083253199314_5461131442902814349_n-ed9e9.jpg

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。