向日葵の丘ー監督日記 「0号&初号試写。最高のスタッフ&キャストの力!」 [0号&初号試写]
試写の冒頭。来場した方々に挨拶をさせてもらった。そのときこういった。
「僕はこう見えても、結構、謙虚な性格で、これは最高の映画です。とかいえません。かなりいい出来でも、まずまずの映画にはなっています。とか言う。でも、今回はいいます。本当に素敵な作品です。なぜ、そういえるか? それは僕が1人で作った訳ではないから。素晴らしいキャスト。最高のスタッフ。
そして、多くの方々が熱く応援してくれた。誰も足を引っ張ったり、邪魔をしたりせず。同じ方向に向かって120%の力で映画作りをした。そうすれば、本当に素晴らしい映画できること。今回痛感しました。だから、いいます。本当に素敵な映画です」
監督というのは映画製作チームの代表にしか過ぎず。優秀なスタッフと、素晴らしいキャストなくして名作を作ることはできない。そして、応援してくれる人たちも大事。彼ら彼女らの支援、声援なしに、素晴らしい映画はできない。今回はその全てがそろった。だから、最高の映画になった。
冷静で、自分のパートを真剣に確認せねばならないスタッフも、映画を見て泣いていた。自分の芝居を見て、反省しきり!ということが多い俳優さんたちも、何度も涙を拭いていた。そう、本当に素敵な作品になると、彼ら彼女らでも冷静に見れない。映画とは本当に凄いものだ。
試写会のお手伝いに来てくれた人。その人は撮影現場に来ていない。シナリオは読んだそうだ。こう語る。「もう、途中から涙が止まらなくなって、声を上げて泣きそうになりました。悲しいとか、感動したいうだけでなく、もう、分け分からないのに胸が熱くなり、涙が溢れる。こんな映画今までになかったです」
別の人はこういう。「高校生の3人組をもう応援せずにいられなくなる。がんばれー! 諦めるなー!って叫びたくなる。だから、*********はもう、悲しくて涙が止まらなかった。そして*******の場面。******のシーン。もう駄目。涙が止まったと思ったら次のシーンでまた涙が溢れる。凄い映画でした」
今の段階ではあまり詳しく書けないが、絶賛、絶賛という感じだ。が、まだ、本当の反応は一般試写で確認せねばならない。来月には映画は完全完成。それを映画館で上映できるように特別のフォーマットをしたものにする。そして映画館に交渉。一般試写は来年の春くらい。そして初夏には映画館公開。映画は本当に時間がかかるが、「向日葵の丘」で最高の感動を御届けしたい。
向日葵の丘ー監督日記 0号試写! 完成(?)祝いは夜明けまで! [0号&初号試写]
先日の0号試写後。スタッフ&キャストでお祝いをした。本当の意味で完成ではないが、もう98%完成といっていい。。。。細かいことは抜きにして完成祝いとした。
来れなかった人もいるが、みんなで乾杯した。皆、笑顔だった。でも、実は完成祝いというのは、怖いもので、映画の出来がよくないと、多くのスタッフは「ちょっと、用があるので・・・」とお祝いに参加せず、帰って行く。飲むと、不満が爆発してしまうからだろう。
「何で、あのシーンをカットしたんだ!」「あのシーンはいらないだろう?」「長いんだよ。もっと短くしなきゃ観れないよ」「ああ、最悪! こんなの映画館で上映できない」とか、みな、いろんな不満を抱えたまま、口を閉ざし、帰路に着く。あるいは同じパートだけで飲みに行き、悪口大会?
でも、今回は試写。関係者ばかりなのに、涙、涙の試写となった。皆感動に打ちのめされた。そのせいもあり、ほとんどのスタッフ&キャストがお祝い会に参加してくれた。これだけでも、皆、満足する結果であることを物語る。そして、二次会、三次会、結局、朝までお祝いは続いた。これは本当に久しぶりだ。若いスタッフばかりではない。40代になると、徹夜はきつい。それでも仲間と映画完成を祝いたいという思いが勝った。
撮影の思い出を語る。あの場面の魅力を語る。あの俳優の努力を讃える。朝まで「向日葵」の話で盛り上がった。通常、俳優たちは一次会のみ参加ということが多い。だが、何人もの俳優が朝まで一緒だった。これも「素敵な映画に出演できてよかった。スタッフの人と朝までいたい!」という思い。「何年に1度あるかどうかの、いい現場だった」そういってくれるスタッフもいる。
映画作りは苦しい。辛い、厳しいことばかり。でも、素敵な映画が出来上がったときの感動は格別だ。お祝いの夜は本当にハッピーになれる。素晴らしい仲間と、思い出を語り合える。だから、苦しくても映画は辞められない。
そんな会で、僕は意外におとなしい。酒を飲みながら、皆の嬉しそうな顔を見ている。そう、そんな彼ら、彼女らがいたから、この作品が、素晴らしい作品ができたのだ。監督の力なんて小さなもの、スタッフ&キャストの力がなければ、映画はできない。
その彼ら、彼女らに感謝を込めて、何度も乾杯した。でも、ハッピーな夜は一夜限り。翌日からは映画館公開を目指しての準備が始まる。いくら素晴らしい映画を作っても、多くの人に見てもらわなければ意味がない。僕は映画公開に向けて宣伝準備を始め、スタッフ&キャストは次の作品に参加するために、次の組で仕事を始める。ありがとう。みんな、ありがとう。いつかまた会えるその日まで。素晴らしいスタッフ&キャストのみんな。
向日葵の丘ー監督日記 初号試写! 場内は涙の渦? [0号&初号試写]
先日の0号試写に続き、初号試写を行う。試写というと、一般の方やお世話になった方を招待して完成披露する試写と思いがちだが、今回もそれ以前の業務試写。「映画に問題はないか?」をスタッフ&キャストで確認するための試写だ。
前回の0号試写で見つかった問題点を改善。特に色合いはかなり直した。さらに、編集もやり直したのが今回のバージョンだ。試写開始1時間前には会場に到着。試写の前に試写を行う。プロジェクターにも個性や癖があるので、それを把握した上で試写をせねばならない。
それとは別に、作品の反応も気になるところ。基本スタッフは自分が担当したパート、撮影であり、照明であり、録音等の仕事がうまく行っていたか?に注目するので、笑うシーンでも笑わず、泣けるシーンでも泣かない。だから、0号初号試写は静かな反応であることが多く、監督としては「ウケてない・・・・・」ともの凄く不安になる。
なのに、前回の0号試写では後半1時間。試写室は号泣の渦に包まれた。あちこちで鼻をすする音。涙を拭く人。バックからハンカチを取り出す人。涙、涙となった。0号試写でこんなことは珍しい。そして今回の初号試写でも、同様。後半1時間は涙の連続となった。
どこがどんなふうに泣けるのか? 詳しく書きたいところだが、公開は来年なので、内緒にしておく。でも、ひとつだけ書くと、僕の映画を全て見ている関係者は「太田監督の作品はみな泣ける。でも、今回は本当に凄い。今までで一番感動した。最高傑作です・・」いくら親しい人とはいえ、ここまで言う人ではない。目をまっ赤にして、何人からもそう言われた。
さて、内容的には今回もかなり嬉しい反応だったが、画質、色合い等で、やはりもう少し、直した方がいい部分が見つかる。本来、初号試写で完成なのだが、それは少し先に延びそうだ。
カメラマンからも色合いの問題を指摘されたので、直すことにする。が、担当者がもう次の仕事に入っているので、それが終わる来月に直し作業をすることになる。
だが、映画自体の評判は予想以上。配給会社の方からも高評価を頂き、全国の映画館50館公開を目標にアプローチをするとのこと。凄い展開になってきた。
それもミニシアターや単館ではない、全て大手シネコンチェーンでの公開だ。僕の映画の中では最大規模の公開である。来年は「向日葵」フィーバー?。でも、その前にもう少し直し作業をする。
向日葵の丘 監督日記 0号試写とは何か? [0号&初号試写]
映画は編集が終わり、カラコレが終わり、MAが終了したら、0号試写というのをやる。試写というと、一般の方は完成披露試写会を想像するが、実はそれ以前、完成前の試写を0号試写という。スタッフ、キャストのみが参加。
一般観客、及び、お世話になった方々に見せる前に、最終チェックをするための試写会である。「0号」(ゼロ号)と呼ぶのは「1号」以前の試写。試写会以前の試写という意味だ。
そこでは各パートのスタッフが、目を皿のようにして、作品をチェックする。作品を楽しむのではなく、問題点を探す。撮影部は映像を確認。録音部は音を確認。照明部は色。皆で厳しく確認する。だから、笑えるシーンでも笑い声は起きないし、悲しいシーンで泣く人もほとんどいない。
映像の中に映ってはいけないものが映っていないか?(マイクとかよく映り込んでいることがある)おかしな音が入っていないか? 画面の明るさはこれでいいか? 色合いはおかしくないか? チェック。その上でさらに直しの作業をして、初めて完成となる。
その0号試写を先日行った。編集時は小さなモニターで見ているので、試写室の大画面で見ると、新たに気づくところがある。今回もいくつもの問題点が見つかった。それを直す作業を現在、進めている。あと一息だが、まだ完成はしていない。