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ランチ。本日は久々に自宅で。 [2016年]


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 いつもはランチだけは外食しているが、

 本日は久々に自炊。

 おでんと、納豆キムチご飯。

 頂きます。


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30年前の思い出ー夢を追うと失うもの。プロを目指すと心傷付くこと。 [【再掲載】]

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30年ほど前。

 僕は横浜に住んでいて自主映画活動をしていた。今はもう製造されていないが8ミリフィルムを使って映画作り。映画研究部のような乗りで撮影をし、自主上映会。音楽でいえばバンド活動のようなもの。プロデビューを目指して、仲間と映画を作っていた。

仲間は専門学校の学生であったり、大学生だったり。映画好きが集まり、スタッフやキャストとして参加してくれた。が、皆、素人なので、いろんなトラブルや事件が続出。それを解決しながら1ヶ月も撮影するのは、なかなか大変だった。

真夏の太陽の下での撮影は過酷。ギャラも出ない、飯や交通費は自前。おまけに僕は当時から「本気」モード。趣味の延長ではなかったので、かなり現場はハード。だから、映画ごっこと解釈「楽しそー」と参加すると大変な目に遭う。だから、核となるメンバーは「将来は映画監督になる!」という仲間で固めた。

だが、撮影が1ヶ月も続くと、

 パニックになる奴も出て来る。主要メンバーの1人で大学生のA君は遅刻が増えるようになる。現場で取り乱す。何かにつけ、反対意見を出し、撮影の足を引っ張る。いやいや作業をし、注意すると激怒。あるとき、彼の不注意で10本近い撮影済みフィルムをダメにしてしまった。

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 製作費は僕がバイトで稼いだわずかな額しかない。リテイクを含め、数万円が無駄になる。学生にとっては大きな打撃だ。そのために、撮影がすでに済んだ友人にも、もう一度来てもらい同じシーンの撮影をせねばならない。何日もの撮影が無駄になった...。

A君は非常に聡明な映画マニアで、

 自身でも将来は映画の仕事がしたいという強い思いがあった。が、映画を「観る」と「作る」では大違いということを痛感しており、心の中で葛藤があったようだ。ここで投げ出すことは、夢を諦めること。だから、辞められない。が、撮影は辛く、やること、なすことが撮影の邪魔ばかり。

そんなふうにA君のために撮影が何度も中断。スケジュールが遅れる。彼のミスのために、手伝いに来た友人たちが二度も三度も撮影に来なければならない。製作費も足りなくなった。なのにA君はどんどんやる気をなくし頻繁に遅刻。投げやりな態度を取るようになっていた。

そこで不思議な反応が起こる。

 皆はもう「Aは辞めた方がいい!」というと思っていたのに、多くがこういったのだ。「太田。冷たいぞ。Aにもっと優しくしてやれよ! 友達だろう?」「可哀想じゃないか? 遅刻しても待ってやろうよ」最初、その意味が分からなかった。

僕は趣味で映画をやっているつもりはない。プロを目指す仲間と共に真剣勝負で撮影をしていた。そのことは皆、理解しているはず。なのに一部の友人たちが「みんなで仲良くやろう」といいだしたのだ。「よりよい映画」を作るより「友達」を優先すべきというのだ。

もし、これがサークル活動とか8ミリ映画同好会なら、その通りだ。が、プロを目指すための活動である。何で??? それで分かって来た。多くの友人たちは「プロを目指す!」といいながら、実際は「みんなで楽しくやりたい!」というのが本音だったのだ。決局、A君は撮影を途中で投出し、来なくなる。

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映画は完成。皆、盛り上がった。

 メンバー「もう1本映画を作ろう!」といいだし、次はA君を庇ったB君が監督をした。が、またトラブルや事件が起きて撮影は難航。8ミリ映画といえども撮影は大変。今度はB君がパニックなり。撮影を投げ出してしまった。クランクアップを迎えることなく終了となる。

その後、誰も映画撮影をすることはなくなり、皆、夢を語ることはなくなり、1人故郷に帰り、2人帰り。仲間は誰もいなくなった。僕は新しい仲間と出会い、自主映画活動を続けた。2年ほどして、A君と再会する。僕の8ミリ上映会に来てくれたのだ。彼は恥ずかしそうに、こういった。

「あのときは太田が許せなかった。けど、時間が経ち、自分が甘かったことに気づいた。あのときの仲間は皆、プロを目指すといいながら、その意味を理解してなかったんだ。結局、映画ごっこで楽しくやりたいというレベル。だから、夢を諦めて故郷に帰っていった。でも、お前はまだがんばっている。本当に真剣だったんだな。本気でプロを目指してたんだな? そう思うとうれしくて、来れる義理じゃないけど来ちまったよ.......」


僕もうれしかった。

 というのも、あの頃は、やたら批判されていた。「太田は何様だ?」「たかが自主映画だろ?」「手伝ってもらっているという感謝がない!」とか陰で言われていた。が、僕がするべきは、素晴らしい映画を作り、認められて、みんなでプロの世界に殴り込むこと。そう思っていた。プロを目指すということが、共通の目標だと信じていたから。

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そうではなかったこと。後に知った。でも、A君と再会し、そのことを彼が分かってくれたこと。うれしかった。もし、あれが青春ドラマなら、みんなで仲良く最後までがんばることがハッピーエンドだろう。しかし「プロを目指す」といいながら、嘘ではないが、それが単なる憧れだった友人たちもいた。「絶対にプロになる!」という者と「できれば、プロになれるといいな〜」という者では、すれ違いが起こるのは当然なのだ。A君は語る。

「あの頃はお前を恨んだけど、今は分かる。お前は間違ってなかったんだよ。今ごろ、あいつらも気づいていると思うよ。そして太田を応援しているはずさ。そしてお前なら必ずプロになれるよ....」

A君はそういってくれた。

 が、その後、彼と連絡が取れなくなり。今はどーしているか分からない。けど、きっとどこかで僕の映画を観てくれていると思いたい。そしてスクリーンに向かって、1人でこう呟いているだろう。

「だからいっただろ? お前はプロになれるって。嫌われても、冷たいって批判されても、大事なのは素敵な映画を作ることなんだぜ...」

そんな声が聞こえてきそう。だから、僕は前に進みたい。あのときの仲間の思いを込めて、感動を届ける映画を作るために。

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昔「マネーの虎」を見て痛感したこと。商売も映画も「才能」ではない。 [【再掲載】]

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その番組は10年ほど前に放送されていた。吉田栄作が司会で、金持ち社長が5−6人(皆、うさん臭い!そこがまたいい)会議室に集まり、そこに応募してきた視聴者がプレゼン。その商売プランが気に入られれば、出資してもらえるという番組。

かなり過酷な番組で、虎と呼ばれる社長たちはプランを説明する若者たちに情け容赦ない質問をぶつける。質問どころか「お前は甘い」と説教する虎もいる。が、聞いていると虎たちのいうことは正論で、なるほどということが多い。プレゼンする若者たちがいかに安易で、真剣さが足りないか?痛感。そこが面白くて、深夜枠で放送していて頃から見ていた。

その頃僕は、監督デビュー作「ストロベリーフィールズ」の製作費を出してもらおうと、映画会社やビデオメーカーにプレゼンを続けていた。が、なかなか、うまく行かず、苦闘している時期だった。友人たちからは「絶対に不可能」「誰がお前みたいな無名の監督に金を出すの?」「あり得ない」「諦めた方がいい!」そう言われていた。

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なので、番組に応募した人たちの気持ちがよく分かり、自分が虎たちを相手にプレゼンしているような気持ちになり、毎回「やはり、世の中は甘くないよなー」と思えて暗い気持ちになった。そんなとき、ある回でプレゼントする若者にある虎がこう訊いた。

「成功しないでいる君と、成功した僕たちと何が違うんだと思う?」

嫌な質問だが、興味あるところだ。大金持ちになった社長たちと、いろんな挑戦が失敗して行き詰まり、金を借りることもできず、テレビ番組に応募。新事業の出資を願うその若者と何が違うというのだろう。「実力」「運」「才覚」そんなありふれた言葉が僕の脳裏を過る。若者は答える。

「......努力......ですかね? 僕はまだまだ努力が足りない。でも、社長さんたちは僕の何倍も、何十倍も努力してきた。そういうことじゃないですか?」

それも言える。世の中は努力が大事というのはよく言われる。だが、海千山千でのし上がって来た社長が、そんな当たり前のことをいうだろうか? では、何か? いろいろと考えたが、分からない。すると、その社長はニヤリと笑い、こういった。

「考え方だよ」

あーーーーーーーー、なるほど。そうかーーーー。その通りだと思う。というのは、似たような話を他でも聞いたことがあり、僕も漠然と近いことを考えたからだ。つまり、その若者の事業が成功しないのは「努力」が足りないからではなく、「考え方」が間違っているからと社長は指摘するのだ。いくら努力しても「考え方」が間違っていれば成功はしない。

その若者は間違った方法論を努力した。だから、儲からなかったのだ。これは僕が日頃から言っている「才能なんてない」というのと同じ発想だ。才能があるから映画監督になれる。とか、いい映画を作れる。とよく言われるが、そうではない。と思っていた。まさに同じだ。

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努力とか、才能とか、ではなく、考え方。それを間違えたら何事もうまく行かない。具体的にいうと、店をやるなら仕入れ、調理、人員、味、コスト、客層、時代の流れ、宣伝等を徹底して考えて、自分がやりたいコンセプトをどうすれば、その中で生かすことができるか? その方法論を考えることなのだ。一生懸命、努力して店で働くだけでは客は来ないし儲からない。そもそもの方法論=「考え方」が大事というの意味だ。

当時、僕も映画製作費を集めるのに、ありとあらゆる人に批判、否定され続けていた。が、「考えれば必ず答えがある」と考えていた。親が金持ちでなくても、自身が有名人でなくても、大企業に友達がいなくても、何か方法があるんじゃないか? そう考えていた時期なので、その虎がいったことは納得。同時に励まされた。

虎たちも同じ発想で成功したんだ。そう思うと元気が出た。実際、僕は1年後に目標の製作費を集め、映画監督デビューした。皆、「まぐれ」といったが、さらに2作の製作費を自身で集め、映画を作り続けてた。いえることは、「才能」とか「大手企業の力」とかがなくても、誰でも成功できるということ。夢を実現することはできるということなのだ。要は「考え方」次第。が、「マネーの虎」には後日談がある。

番組終了から10年。その後、虎たちの多くは破産。倒産を経験。行方不明の社長もいるようだ。最初の「考え方」は正解だったが、いつか「考え違い」を犯し大失敗をする日が来るということだ。人ごとではない。僕も今回で終わりということもあり得る。だから、毎回、遺作だと思ってかかる。


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