本格的な編集スタート。新しい時代の始まり&懐かしい時代の終焉。 [【再掲載】]
(以下の文章は一昨年「向日葵の丘」の編集をスタートしたときに書いたもの。いろんな予感があった。それから1年半。実感する部分が多い)
この「向日葵の丘」の編集を始めると、新しい時代が始まってしまいそうな気がした。時代が変る。
同時に、ひとつの時代の終わりでもある。
これまで過ごしてきた時代が、長年付き合って来た環境や空気や時間の流れを含めたものが、終わってしまいそうな予感がしたのだ。それが怖かった。あのときと同じ悲しみに耐えねばならないのか?そう思えた。
もちろん、新しい時代は始まる。
ドキドキ、ワクワク、これまでと違う物語がスタートする。でも、ここまで付き合ってきた今のストーリーが、そしてひとつの人生が終わる。新しい船には乗れない人たちもいる。そして、別れが訪れる。
何のことだか分からないと思うが、
そんなことがこれまで二度あった。8ミリ映画を作っていた横浜時代の終わり。そしてロサンゼルス留学物語が始まった。それが1985年のこと。そして、そのロサンゼルス物語が終わり、東京物語がスタートした。1990年。両方ともに悲しい別れがあった。住み慣れた街を離れ、友とも別れ、新たな物語を始める。嬉しさと同じくらいに、淋しさが込み上げる。そして、過去には二度と戻れない。
今回「向日葵」のシナリオが完成したときから、
それを予感した。撮影でも痛感。そして、編集をスタートさせてから余計にそれを実感し、作業が本格的になると、もう後戻りができない気がしていた。そして今日、かなり作業が進み、それをまた感じた。もう、後戻りはできない。前に進まないといけない。
映画のオープニングに仮のタイトルを入れてみた。
そして仮の音楽を着けた。凄い!もう、そこには感動があり、新たな物語がスタートしていた。凄い作品になる予感。僕は自分の映画をやたらなことでは自慢しない。が、今回は本当にスゴイ。結末は知っているのに、どうなるんだ?と思ってしまう。まだ、オープニングだけなのに、涙の展開を感じる。
もう、心は決まった。
扉を開けて新しい物語を始める。悲しい別れを振り切り前に進む。もう、後戻りはしない。「向日葵の丘」を目指して走り始める。