SSブログ

そこそこいい映画なのに、興行的に大惨敗した理由? [【再掲載】]

10420072_792163227524650_7619722107424892533_n.jpg

「そこそこいい映画なのに、興行的に大惨敗した理由?」

後輩の監督。新作が映画が公開されたが、

散々な結果となった。東京の観客動員は1日数人。客が入ったのは主演女優が舞台挨拶をした初日だけ。それでも満員御礼にはならなかった。あとは閑古鳥。散々な結果で終わった。

そして、このプロデュサーもまた惨敗の理由を「あの子は意外に人気ないんだなあ〜」と言ったそうだ。以前にも書いたが、今の時代に主演俳優の人気だけで客は来ない。多くのプロデュサーはその辺が未だに分からないようだ。

では、映画が大コケした理由は何か?

 一番は中身と宣伝だ。これは表裏一体。よく「いい映画を作れば口コミで広がり、客は来る」という人がいるが、業界のシステムが分かっていない。今、映画館での上映は基本的に最低2週間。ヒットすれば続映されるが、駄目だとそこで終了。

どんなにいい映画でも、たった2週間で口コミは十分に広がらない。例え、その作品が素晴らしいものでも、口コミが伝わり、客が増える頃には上映は打ち切られている。ツイッターやFacebookで拡散しても、数日で大勢が映画館に押し寄せるということはまずない。

だからこそ、宣伝をすることが大事。

「面白い」「面白くない」と言う前に、その映画の存在が伝わらなければ駄目だ。例えば友人から「***という映画、感動したよ」と言われたとき、その映画を知っていれば「だったら、見ようかな?」と思うが、全く知らない映画だと、「へーそう?」で終わること、多くないだろうか?

つまり、「いい」「悪い」の前に、映画の存在を伝えないと口コミが広がらない。いくら感動的な映画でも、知名度のない映画を口コミで広げるのは、もの凄く時間がかかる。結果、見たい人が増えたときには上映終了なのだ。

後輩の映画。まず、そこがアウト。宣伝は全くといって行なわれていない。なのに、都内の一等地の映画館で公開された。それなりの映画館では高い動員数が要求される。が、そのプロデュサーはチラシとポスターを作っただけ。どうも主演女優が人気があるので、それでヒットすると思い込んでいたようだ。

主演女優は実際、注目されていて

完成披露試写会ではマスコミが押し掛け、スポーツ誌等ではかなり記事になった。後輩の監督も「これは行ける!」と思ったらしい。でも、結果は惨敗。その映画館は彼の作品は二度と上映しないと激怒しているとのこと。

宣伝不足というより、宣伝しなかったからだ。後輩の作品、決して駄目な作品ではなく、可能性を感じさせる部分もある。映画ファンが見れば「なるほど」と思うだろう。それなりに宣伝すれば、それなりの観客動員が見込めたはずだ。それができなかったのは、人気女優を起用すれば客は来るという古過ぎる発想。そして、マスコミが取り上げれば宣伝になるという勘違い。

それら記事を読めば分かるが、映画の良さを紹介したものではなく、人気上昇中の若手女優が主演したことを伝えるだけのもの。それを読んで「よし、見よう!」という人は多くはない。先にも書いたがファンであっても、映画に出たからと見に行こうとは思わない。本人見たさに初日の舞台挨拶時しか来なかったのである。

当然、口コミにも繋がらない。

映画宣伝の大切さを痛感する出来事だった。例え、素晴らしい映画を作っても、宣伝しなければ客は来ない。人気俳優が出てくるからと安心したら駄目。ポスターとチラシはどの映画でも作る。それ以外に何をするか? どんな宣伝をするか?が大事。

もちろん、後輩の映画は充分な宣伝費がなかったこともある。巨大企業が作った映画以外は皆、抱える問題だ。テレビでスポットを流すだけでも何千万円もかかる。でも、できることはある。お金をかけなくてもできること。

だから、僕は映画公開の1年前からFacebookとブログで映画の告知をする。ほぼ、毎日、記事を書く。だが、ほとんどの監督は公開前になって数回、ネットで告知をするだけ。そんなことで十分な訳がない!

後輩もまさに、そのパターン。

プロデューサーも問題あるが、彼にも責任がある。今の時代。映画は簡単にはヒットしない。まずは、映画の存在を伝えることだ。後輩の失敗を繰り返さないように、がんばる!

Facebook_edited-2-835d4.jpg

映画、ドラマ、CMのスタッフは一緒に仕事できない? 似ているようで皆、価値観が全く違う! [【再掲載】]

11036949_798457553561884_9219111352752044126_n.jpg



 後輩の映画監督から相談を受けた。撮影現場が非常に混乱してうまく行かなかったのだが、理由が分からないという。スタッフ同士が議論になったり、喧嘩したり、ギクシャク。まとまらずに、それぞれが勝手なことを始めたというのだ。そう聞くと普通ならこういうだろう。

「相性が悪いスタッフが多かったんだね?」

 或は「ギャラが安いのでイライラしてたんじゃないの?」とか言われそうだが、後輩はそういうことではないというのだ。で、いろいろと訊いてみた。

 まず、後輩が監督したのは低予算映画。それをドキュメンタリータッチで撮影しようとしたという。手持ちカメラを多様。多少のブレがあっても、台詞が聞き取れなくてもOK。それよりリアリティを重視。あえていえば、アメリカのテレビドラマ「24」をさらにエスカレートさせ、「これはドキュメンタリーじゃないの?!」と思えるほどのリアリティある映画をめざした。次にスタッフを訊くと

「カメラは***さん。照明は***さん、助監督は***君.....」

 と名前を上げてくれた。その段階で「ワトスン君。答えは簡単さ!」といいたかった。もちろん「AさんとBさんは犬猿の仲なんだよ。うまく行くはずがないさ」なんて真相ではない。映画作りの難しさがそこに現れていた。

 まず、カメラのAさん。この人はドラマでもドキュメンタリーでも出来る人。だが、照明のBさんはバリバリの映画人。そして助監督のCさん。この人はテレビドラマを専門。もう、これだけで答えは出た。

 作品の方向性はドラマだがドキュメンタリータッチ。だが、照明のBさんはバリバリの映画人。こだわった映像で重厚な物語を作って来た人。それに対して助監督のCさん。テレビの仕事が多いので、とにかく早く撮影する。クオリティは低くて、予定通りにクランクアップすることを重用視。

10628401_702906243117016_2690420820435524618_n.jpg

 そして技術的にも問題が出る。例えば手持ちカメラがグラグラ揺れとする。通常の映画ではNGだが、ドキュメンタリーならOK。それをあえてドラマでやろうというのが意図なのに、映画の照明部も、テレビ専門の助監督も「それはおかしい!」と受け入れなかったのだ。

 照明部はドキュメンタリーではありえない、おしゃれなライティングをするし、演出部は「役者の顔にしっかり光を当てないと!」とテレビドラマの定義を持ち出す。どちらもドキュメンタリーでやったらおかしなことになる。つまり、監督の意図をスタッフのほとんどが理解せず。また、テレビ系、映画系のスタッフもそれぞれに価値観が違い、ぶつかったのだ。後輩が意図するドキュメンタリータッチのドラマを理解しているはカメラマンだけ。後輩、曰く....。

「作品意図の説明を聞き、皆、分かった!といってたんですよ」

 そして一般の人から見ても映画も、テレビも同じ。ドキュメンタリーもほぼ同じ。という認識だろう。が、これらは全く違う。似て非なる物。あえていうと宗教と同じ。知らない人が見れば宗教なんて皆、神がいて、その教えを信じるものだと思いがちだが、そのささやかな違いで海外では戦争まで起きている。映画やテレビもまた同じ。

E692AEE5BDB1E9A2A8E699AFEFBC8FE9A2A8E5A8985B25D.jpg

 例えば映画では「監督」が絶対的存在だが、テレビは「プロデュサー」、CMでは「スポンサー」ドキュメンタリーもまた「監督」だろう。つまり、映画のスタッフは「監督」のイメージを大切にしようと、がんばるが、テレビは「プロデュサー」だ。CMは「スポンサー」が第一。も以前、CMのスタッフとドキュメンタリー作品を作ったが、何かあると、こういう。

「だったら、まずスポンサーに報告して承認を得ないと!」

 いい加減うんざりした。スポンサーのために作っている訳ではないのだ。同じく後輩の映画でも、テレビ系スタッフは監督よりもプロデュサーにへつらい。監督をないがしろにしていたらしい。さらに、それぞれの方法論が違い、議論になり、言い争いになったそうだ。

 でも、それは最初から見えていること。後輩は事前に説明したというが、何十年も実践してきた方法論を、人は簡単に変えることはできない。もし、ドキュメンタリータッチを実践するなら、テレビや映画スタッフではなく、ドキュメンタリーのスタッフでドラマを作るべき。或は、その種の発想を理解するスタッフを選ぶべき。名前を聞くだけで、

「その人にドキュメンタリーは無理!」

 というスタッフにした段階で失敗は見えている。もちろん、別のメディアでも仲良く仕事をする人たちもいる。が、後輩が経験したような話はよく聞く。

 よくキャスティングが成功すれば、映画の70%は成功だと言われるが、スタッフも同じ。そこで間違った人を呼ぶと、テロリストを乗せて船出するのと同じになってしまう。価値観が違うというのは、本当に面倒なもので、宗教と同じ。どれが正しく、どれが間違ってないとはいえないが争いの種となる。

 あえて言えば映画の現場で「ドラマ」や「CM」の価値観を振り回すのはやめてほしい。それが分からない輩がいるから、現場で揉めるのだ...。ただ、一度染み付いた価値観から離れること。なかなか難しいのも現実。大人たちが古い価値観を振り回して、子供たちの未来を潰すのも同じ構図である。


m_10460181_802083253199314_5461131442902814349_n-ed9e9.jpg

頂き物のレトルトカレー! [2016年]

IMG_9534.jpg

 数日前の夕飯

 頂き物のレトルトカレー!

 これがなかなかの豪華版

 宮城牛入り!

 本当にでっかいのが入ってた。

ブログ用.jpg

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。