「向日葵の丘」感想 30年という月日の重さ、残酷さ、 [再・感想]

「向日葵の丘」の感想 脚本家・西川美也子さん
1983年という時代背景をチョイスされたのも、本当に心憎いです。何と充実した年だったのだろうと。
あの頃への郷愁に身をゆだねていると、烏丸せつこさんが登場。
このキャスティングがまた絶妙で、当時のご活躍を知る世代にとってはたまらないと感じ入りました。
映画館支配人役の津川雅彦さんの自然体の演技が素晴らしく、誰の心にもある「心の映画館」「心の映画おじさん」という存在を思い出させてくれます。
30年という月日の重さ、残酷さ、そして優しさ。
情報が人を幸せにするのではない、技術が人を幸せにするのではない。
そういう真摯なメッセージを「映画という永遠」に託し、見る者に贅沢な時間を提供する、そんな作品だと思いました。
