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「向日葵の丘」監督日記ー映画音楽についてのこだわり [MA]

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映画における音楽の話。続ける。先輩監督たち、不思議なくらいに音楽に興味がない。が、その分。本はよく読む。映画の原作となる小説を探すために、名作、古典、話題作と本当によく読んでいる。

「今、ベストセラーの****読んだ?」

とかいわれるが、なかなか「はい」」と答えられない。「勉強不足だなあ〜」と。ただ、先輩たちは音楽を聴かない。映画は衛星放送まで引いて見ているが、オーディオセットがない人も多い。そんな背景があるので、日本映画には有名な映画音楽が本当に少ないのではないか?という話を前回書いた。

そんな先輩監督。映画に音楽をつけるとき、音楽家さんにこう注文する。「ここはちょっと間延びしているシーンだから、音楽を入れてほしい」「ここは何か悲しい曲を入れて、主人公の悲しみを伝えたい」「ここは何となく後ろで音楽が流れていればいいから」中には、音楽家に全てお任せという監督もいる。

え? そんなことでいいの? と何度も思ったが、多くの先輩たちは音楽にあまり関心がない。でも、それが映画の仕上げ作業の普通の光景。だから、僕が監督をしたら、いろいろうるさく言って、皆、嫌がるだろうなあ.....と思えていた。

というのも、自主映画時代。8ミリ映画を撮っていた頃。音楽を作ってくれる人はいないので、規制の曲を使うのだが、多くの仲間はヒット映画の音楽を使い、シーンの長さに合わせてフェードアウトするというやり方をしていた。が、それが嫌だった。音楽が終わっていないのに、そのシーンが終わるからと、音楽をフェードアウトするのは気持ち悪い。だから、音楽自体を編集。シーン終わりに音楽が終わるようにする。

そして、その場面で盛り上がるところは音楽も盛り上がる。でも、規制の曲は都合よくいかない。盛り上がりで合わせても、別の部分で画面と合わなくなる。その辺をピタリと合わすために、音楽を編集する。あるいは映像の方の編集を変えるというやり方で、映像に合わせて作曲したかのような仕上がりにしていた。もちろん、プロの機材も何もないし、レコードにカセットの時代。パソコンもない。だから、ものすごく時間がかかる。毎回、半年ほど。音楽と映像合わせに格闘。でも、そうやると、見ていて違和感なく、気持ちが物語についていく。

自主映画の音楽でもうひとつ大切なこと。それはヒット映画の音楽を使わないことだ。いくらアクションものだからと「インディジョーンズ」のマーチをかけると、どうしても、あの映画を思い出してしまう。8ミリ映画は予算もないので、両者が比較され、余計に見窄らしい映画と思える。悲しいシーンだからと「ある愛の詩」や「おもいでの夏」を流すと、「あ〜この曲知ってる!」と思われ、物語から離れてしまう。

なので、まず、誰も知らないだろうという曲を探した。レンタルレコードに行き、サントラ盤を山ほど借りてきて聴いた。あるいはクラシックの有名でない曲を探す。映画音楽はその物語を反映してなければならない。曲が特定のイメージを持ったものは駄目だ。

自主映画時代からやっていた、もうひとつのこと。それはシナリオを書く段階から音楽を決めていたことだ。物語を書きながら、この場面はスコット・ジョプリン風のピアノ。ここはバッハ。というふうに、それらの曲をカセットに録音。聴きながらシナリオを書いた。

それはプロになってからも続けており、シナリオを書く以前に音楽を決めてシナリオを書くことが多い。なので、シナリオを読んでもらうときには、その音楽をカセットやMDに録音して、「これを聴きながらシナリオを読んでほしい」ということがある。

それとは別に、その曲を劇中で使う訳ではないが、その歌のイメージでシナリオを書くこともある。長くなったので、続きは次回に!!

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