立ち止まり吸収すること。それが次のステップ? [公開終了の時期]
【立ち止まり吸収すること。それが次のステップ?】
「向日葵の丘」映画館公開もいよいよ終盤。今週末7日の大阪十三シアターセブンが最後の舞台挨拶となる。仲代奈緒さんと僕が登壇する。シアターセブン(7)で7日というのは覚えやすいかも。
ここまで映画館の情報や作品紹介を朝起きてから4時間。ほぼ毎日。ネットで発信してきた。これは個人としてやっていた活動であり。宣伝会社から頼まれギャラをもらっての仕事ではなく、他の監督はここまでやらない。先輩たちは「毎回、よくやるよなあ〜」と呆れているが、みんなの協力で完成した映画なので、1人でも多くの観客に見て欲しいという思いからだ。
そして東京、横浜、京都の公開も終わり。九州地区の次々にスタート。ロケ地島田市に一番近い藤枝シネプレーゴは大ヒットで6週目の上映が決まった。あと、全国で2地区のみ未だに上映が出来ていないところがあるので、何とかしようと配給会社と共に考えている。が、必要なときに情報をお伝えするとしても、もう連日4時間かけての宣伝をせずとも大丈夫な時期に来た。
その4時間以外にも、舞台挨拶ツアー、配給会社との打ち合わせ、宣材作り、応援団への連絡、業界の友人、先輩への挨拶、お世話になった一般の人たちへの連絡。チラシやポスターを届けたり。イベントに呼んでもらい映画の告知をさせてもらったりで、この10ヶ月は完全に「向日葵」宣伝。他の仕事は一切していない。
ようやく終わりが見えたので、次のステップに進まなければとFacebookに書いてからも、まだ1日4時間ネット発信を続けている。が、本当にそろそろ次のステップに進まなければならないし、経済的にももう限界を超えている。生活のための仕事をせねばならない。そこで大阪十三の舞台挨拶を終えたら、ネットでの発信を少しずつ減らして行こうと決めた。
もちろん、大事なニュースがあったときは発信するが、それ以外はなるべくPCに向かわず、その時間を次のステップのために使いたい。読まねばならない本も山ほどある。新聞も山積み。テレビ番組はハードディスクが一杯で見ずに消去していく状態。映画を作るには吸収が必要。汚い話だが、食べなければウンコはできない。同じに、作品とは自身の知識や経験から生み出されるものなのだ。
僕が「才能なんて存在しない」と思うのは、それが根拠なのだ。才能というと何もせずに湧き出て来るものと思われがちだが、何もせずに作品は作れない。そのためにはいろんなことを知り、学び、経験し、考えて、咀嚼して、作品にしていくのだ。そのための時間が今年に入ってほとんどなかった。もちろん、今年は「向日葵」を多くの人に観てもらうことが一番大事だったので、全ての月日を注いだ。が、それもいよいよ終盤。少しずつ、次の活動に移行したい。
といっても次回作が決まっている訳ではない。生活のための仕事をしながら、いずれチャンスがあったときに次回作が撮れるように準備をしておくということだ。だから、Facebookの記事がいきなり減ったからと「あー監督、ダウンしたんだ!」と思わないように、事前に告知しておく。徐徐に記事数を減らして行き、できれば1−2ヶ月は完全休業。いや、今年いっぱいお休みくらいにしたい。そういいながら、あれこれ書いてしまうかもしれないが、今後のことを考えると吸収が大事だ。
「向日葵の丘」横浜&京都公開が終了。ありがとうございました! [公開終了の時期]
【「向日葵の丘を観たい!」という声は今も届いているのに....】 [公開終了の時期]
御陰さまで「向日葵の丘」日本全国30カ所以上の映画館で公開することができ、多くの観客の皆さんに感動してもらっている。東京は3館で公開。すでに3ヶ月に及ぶ上映で終了、横浜は明日30日まで上映。大阪は3館目の上映が11月7日(土)からシアターセブンでスタート。先日も大分の映画館から「ぜひ、上映したい!」との連絡があり、嬉しく思っている。
それでもまだ「うちの街でも上映してほしい!」という市民の方からの声も届いている。そう。まだ上映できていない地域も僅かながらある。配給会社は今も映画館に交渉。「上映してもらえないか?」お願いしてまわっている。だが、地方の映画館側は大作、話題作を優先。なかなか「向日葵」をかけてくれない。
また、春に交渉したときは「スケジュールがいっぱい」といいながら、今になると「1983年・夏」というタイトルが引っかかる。「すでに秋だし」などという映画館もある。だから、夏前に上映してほしいといったのに、散々引き延ばして「秋になったから」と敬遠かよ?
さらに一般の方から「近所に大きな映画館があるのになぜ、上映してくれないのか?」との質問も届く。が、そこは大手映画館チェーン。全国一斉公開される大型映画しか上映しない。独立系は交渉以前にアウトなのだ。
ミニシアター系の映画館は融通が利き、いろんな映画を上映するが、地方には、その手の映画館がないことが多い。その上、1年以上も前からのいろんな上映依頼があり、そちらを優先する。「1983年夏」なのに、「夏」に上映せずに、後回しにして正月以降なら....とかいうところもある。本当にイライラする。
しかし、観客からのリクエストも問題がある。すでに上映が終わった地区からこんなメッセージが来た。「***市に住む者です。『向日葵の丘』を前々から応援しています。が、うちの街では気づかぬ間に上映が終わってしました。ですので、ぜひ、もう一度映画館で上映してください!」
これは駄目。その街では舞台挨拶までしている。新聞にも記事が出た。応援しているなら公式HPや僕のFacebook。新聞記事をチェックするはず。何週間も上映しているのに気づかないようで「応援」しているとはいえるのか? また、一度、上映が終了した映画を劇場が再映することはまずない。映画館はビデオ・デ・マンドではない。好きなときに、リクエストして上映はしてくれない。
「そのうちに行こう」といっていて見逃した人の声もよく聞く。映画は何ヶ月も上映されていない。ハリウッド映画の大作は別だが、通常は最低2週間。ヒットすれば1週延長という形。そのことは「向日葵」公開前に何度もFacebookでも書いた。その期間に観なければ、別の街で探して観るしかない。それが映画というもの。
しかし、皮肉なのは「応援してる」といいながら映画を観れなかったという人の街では、大きな映画館で上映でき、前売り券を何百枚も買って応援してくれている方の地区で、なかなか上映できない。観たくても自分の街どころか、近所の街でも上映されず。本当に申し訳ない。
大きな街はほとんど上映ができたが、あと2カ所のみ公開できていないところがある。ご覧になってない方で「ぜひ、観たい」と言ってくれる方。ズバリ地元で上映できないかもしれないので、近隣の街で上映されたら、ぜひ、観てほしい。上映できていない地区はあと2カ所。そこは何とかしたいので、配給会社と共にがんばる!