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「ウォーキングデッド」等、アメリカのドラマがめちゃめちゃ面白い訳を探る? [【再掲載】]

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この秋に見た「ウォーキング・デッド」もう見出したら止まらない。シーズン1からシーズン4のDVDが出ているところまで一気に数日間で見てしまった。これは「WD」だけではなく、「24」「プリズン・ブレイク」「HEROES ヒーローズ」と、この10年ばかりのアメリカのテレビドラマに共通する凄さ。めちゃくちゃ面白い。ハラハラ、ドキドキ、時には感動、涙が溢れ、主人公を応援せずにいられなくなる。ヘタなハリウッド映画より何倍も面白い。

なぜ、アメリカのテレビドラマがこんなに面白くなったのか?その理由を今回は書いてみる。そもそも、アメリカのテレビドラマ。1970年代、80年代はここまで凄いものはなかった。当時の代表作を紹介すると、「刑事コロンボ」「警部マクロード」「スタスキー&ハッチ」「刑事コジャック」「チャーリーズ・エンジェル」「バイオニック・ジェミー」「ロックフォードの事件メモ」。当時を知る世代が聞くと「おー懐かしい!」と思うタイトルの数々。僕も大好きで見ていた。

が、その頃のテレビシリーズにはある決まりがあった。個性的な主人公がいる。その仲間がいる。事件が起こる。主人公を中心にがんばって、事件を解決する。基本1話完結。前後編はあるが三部作はまれ。「バイオニック・ジェミー」では「フェンボット」シリーズがその両方、前後編と三部作もあったが、やはり基本は1話完結だ。

それに対して日本のドラマは「水戸黄門」「太陽にほえろ」等は、アメリカと同じように1話完結だが、エピソードが「つづく」で終わり、全24話見ないと完結しないものもあった。NHKの大河ドラマがそうだし、山口百恵の「赤い」シリーズがそう。

「スケバン刑事」シリーズも後半になると、毎回「つづく」で終わった。実はそんなスタイルのドラマは当時、アメリカになかったのだ。80年代にスタートした人気ドラマ「ダラス」はそれに近いものがあり、謎や怨恨があとのシリーズに引き継がれた。ただ、基本は従来と同じ。

それが「つづく」で終わり、シリーズ中、物語が続くのは「24」あたりからだと思う(元祖は「LOST」ですね)。あれは次から次に事件が起こり、1話で完結しない。全ての事件が片付くのに24話かける。それによって、よりスケールの大きい、より深い謎を、より映画的な形で物語を描けるようになったのだ。


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それまでのアメリカのテレビドラマは1話完結。どうしてもスケールの小さい、コンパクトなドラマしか描けなかった。マンガでもそうだが、1話完結より、連載ものの方が面白く、スケールも大きい。それをアメリカのテレビ局がようやく実践し始めたのである。

もうひとつ。アメリカのテレビドラマでメインキャラが死ぬことが今まではなかったのだ。「チャーリーズエンジェル」でメンバーの1人が殉職するとか、「刑事コロンボ」のカミさんが殺されるということは絶対になかった。予定調和で、ある意味安心して見ていられた。が、日本のドラマはご存知のように「殉職」は得意のエピソード。「太陽にほえろ」では歴代若手刑事は皆、殉職! 「必殺!」シリーズでも、最終回にはいつも仕事人狩りが行われ、毎週応援して来たキャラが無惨に死んで行くのを、涙ながらに見たものだ。

この「殉職」エピソードをアメリカでも実践し出したのである。「24」ではメインキャラがどんどん殺されるし、「この人は死なせないでー」と思う人気のキャラでも容赦なくお陀仏。ハラハラドキドキだけでなく、涙涙の物語が作れるようになったのだ。かつて、アメリカのテレビドラマでは感動や涙というのはまずなかった(ミニシリーズの「ルーツ」や「ホロコースト」ではあったが、テレビドラマは基本、先に上げた通り)

さらに、これまでのドラマ。例えば「チャーリーズ・エンジェル」で、ボスレーがチャーリーを裏切ったり、チャーリーが実は悪人だったり、という意外な展開は絶対になかった。ジル(ファラ・フォーセット)が敵に寝返ったり、クリス(シェリル・ラッド)が敵のスパイだったりということもない。これは日本のテレビドラマでもない。「水戸黄門」の助さんが実は黄門様を狙う刺客だった!とか、「太陽にほえろ」の山さんが、敵国のスパイだった!という展開はない。

が、アメリカのテレビドラマはそんな掟破りな展開をも取り入れたのだ。だから、面白い。パートナーと思っていたキャラが潜入工作員だったとか、買収されて情報を流していたとか、「24」ではそんな展開の連続。「プリズンブレイク」なんて誰が悪役か分からなくなる。それに対して、日本のドラマは昔のような連続ものはなくなり、1話完結のトレンディドラマが今も主流。テレビでハラハラドキドキできるものはほとんどなくなった。

とはいえ、実は今、アメリカのドラマが実践しているのは、かつて日本のドラマで主流だった手法なのである。それが効果を上げて、アメリカのドラマは大人気。レンタルビデオ店では、多くのソフトが棚を独占している。そんな中で今一押しが「ウォーキングデッド」である。このことはまた、別の機会に書きたい。


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