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漫画「漂流教室」を41年振りに読んで。 大人たちが時代を謳歌したツケを未来にまわしたことで、苦闘する子供たちの物語。 [漫画の話]

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漂流教室を41年振りに読んで。
大人たちが時代を謳歌したツケを未来にまわしたことで、苦闘する子供たちの物語。

物語は都内の小学校が地震により、タイムスリップ。人類が絶滅、東京が砂漠となった未来に飛ばされる。教師たちはその事態を理解できず、取り乱し、様々な形で死んで行き、子供たちだけが残り。戦いながら生きて行く物語。

そんな子供たちを襲うあまりにも過酷な試練。「バトルロワイヤル」でも中学生同士が殺し合うが、こちらは小学生同士が殺し合い。大人が子供の食料を取り上げ、生き残ろうとする。

あまりの凄惨さに、何度も本を閉じて考えてしまう。空気は汚れ、海は枯れて、町は砂漠になり、草木はなく、雨は降らない。それは大人たちが自分たちの時代を謳歌するために、地球を汚し、資源を取り付くし、ぼろぼろにしてしまった結果なのだ。次の世代の子供たちに残すべき地球を破壊しつくした姿なのだ。

その中で生きて行かねばならない子供たち。教師たちは何の役にも経たず。ただ絶望して死んで行くのみ。そして自然を破壊しつくした前世代の大人たちの贖罪を子供たちが償うのが「漂流教師」という物語なのだ。

これはまさに今の物語ではないか? 30年経っても半減しないセシウム。2万4000年しないと半減しないプルトニュウム。そんなものを日本中にバラ撒いた大人たち。

そもそもは電力不足ではなく、一部の大人が儲けるために原子力は利用。使用済み燃料の処理もできず。10万年保管するというのも、未来の子供たちにそのリスクを委ね。自分たちは電気の恩恵を受けたい。そのツケは子供たちに!というのが現代の日本だ。

「漂流教室」では原子力ではないが、まさに大人たちが空や海を汚し、大地を傷付け、自然を破壊したことで、恵まれた生活を送ったために、子供たちが未来でツケを払わされ、苦しみ、怯え、悲しみ、傷つき、命を落として行く物語なのだ。なぜ、この子たちがこんな思いをしなければならないのか? 何度も涙が零れた。

そして、あたり前のことが、どれほどありがたく、かけがえのないものか?を感じさせる。僕が監督した「朝日のあたる家」でも描いたテーマだが、失って初めて幸せとは何かを実感する。

同時に、自分たち大人がいかに愚鈍で、子供たちの未来を壊しているか?も痛感せずにいられない。それが「漂流教室」という物語。41年前。中学1年生のときには気づかなかったテーマを感じた。

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