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映画監督残酷物語③ 感動のラストシーンにKYな主題歌が流れる理由? [映画業界物語]

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第2弾も好評だったので、もう1本書いてみる。映画を観てラストで感動していると、全然、勘違いな歌が急に流れ出して興ざめした経験はないだろうか? 「このラストでこの歌は違うだろう? 監督の趣味を疑うよ! 涙も感動も全部台無しだ」という憤りを感じること。日本映画を観ているとときどきある。

それも先に紹介した主演俳優問題と同じで、監督の意思を超えて、映画会社(或いは製作会社)が勝手に決めてしまったものであることが多い。というのは、映画は製作費もかかるが宣伝費もかかるので、タイアップを探す。

レコード会社も同じだ。アーティストを売り出すのは大変。今は可愛いだけではヒット曲は出せない。だが、映画の主題歌という形を借りて宣伝すれば、単に新曲というよりアピールする。

レコード会社はタイアップできる映画会社にアプローチ。映画会社も喜ぶ。レコード会社側がCDを売るときに映画「******」の主題歌と宣伝してくれれば大助かりだ。ポスターや広告にも映画「******」と入る。レコード会社も大助かり。映画館で上映されるのは、お客に歌を宣伝するのと同じ。両社ともニコニコなのだ。

が、問題なのは、その歌。レコード会社はレコード会社で企画。勝手に作る。それからタイアップ先を探したり。映画会社は映画会社で作品の中身も知らず、無関係に作られた歌なのにタイアップというと受け入れてしまう。こうして、ラストシーンに、感動を消し去ってしまうKYな歌が流れることになるのだ。

監督が「これじゃ作品ブチ壊しだよ!」といってもプロデュサーたちは「会議で決まったことだから、使ってもらわないと困るよ。マストだよ。マスト!」と涼しい顔でいう

「でも、そのPたちは映画を観たときに、これはマズいなあと思わないのかな?」と訊かれたことがある。Pをやっているほとんどの人はもともとセンスなく、感じる力がないので(でも、彼らのほとんどは自分は感じる力があると信じているから始末に悪い?)というより、「この歌がヒットしたら映画にも客が来るよな〜」とかそんなことしか考えない。先に紹介した主演俳優問題と同じだ。

中身より宣伝。いい作品を作るより、安上がりに宣伝することを重用視する。もちろん、いいものを作っても宣伝しないとヒットしない。しかし、駄目なものを作って、いくら割安に宣伝しても観客は「観るんじゃなかった...」と思い失望するだけ。全ては製作会社や映画会社に作品への愛がない。ということに尽きるのだろう。

こうして、監督がどんなに努力しても、場違いな主題歌で全てを駄目にされてしまうこともあるのだ。

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