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「監督業はいつになってもハッピーになれない因果な商売?」 [My Opinion]

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 僕の監督作「青い青い空」の撮影が終了したとき。打ち上げはお祭り騒ぎだった。皆、本当にがんばってくれたこともあり。大盛り上がり大会だった。そんな中、盛り上がる輪から外れて、1人酒を飲む僕にある女性スタッフが近づいて来てこう言った。

 「監督。全然、うれしそうじゃありませんね?」
 
 その通りだった。撮影が無事に終わったことは良いこと。でも、これから編集だ。それがうまく行かないと感動作にはならない。目の前で大喜びしているスタッフを失望のどん底に陥れることになる。だから、撮影が終わった段階で、大喜びすることはできない。通常、ポストプロダクションが終わったとき映画の完成を意味する。が、そのときも、嬉しい!とは思えなかった

 この作品を観客が見てどう思うのか? 本当に笑ってくれるのか?本当に感動してくれるのか?それが気になる。試写会で拍手が起きた。多くの人が泣いている。関係者が「監督、おめでとうございます」そういってくれる。「今日、一番嬉しいのは監督のはずですよ!」と言われる。でも、全く喜べない。試写ではウケたが、一般公開ではどうだ?こうして、結局、いつまでもハッピーにはなれない。

 ただ、撮影が終了。スタッフが酒を飲みながら大喜びしている姿。とっても嬉しい。「朝日のあたる家」が日本全国23カ所で公開されたこと。そして、各地でヒットしたこと。多くの方が喜んでくれた。もちろん、僕もうれしい。でも、考えてしまう。もっと、もっと多くの人に見てもらうにはどうすればいいか? そのためには何ができるか? 今年は世界に「朝日」を発信したい。何が必要か?

 ひとつの山を超えると、次の山が見えてしまい。それを超えるために何をすべきか?考えてしまうので喜べない。むしろ不安がこみ上げる。因果な性格なのか? 今、編集中の「向日葵の丘」も同じ。非常にいい出来にはなりそうだが、不安だらけだ。

フェイスブックに「監督は夢中になれるものがあり幸せですね?」と書き込んでくれる方もいるが、とんでもない。毎日、神経性胃炎の漢方薬を飲みながら作業しているのが幸せな訳がない。ただ、試写会で拍手が起これば、その瞬間だけはハッピーになれる。また、すぐに不安にはなるのだが.....因果商売だが、それが映画監督という仕事かもしれない。

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