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人の能力&思考を知る方法。映画の感想を聞いてみるとよく分かる?! [【再掲載】]

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【人の能力&思考を知る方法。映画の感想を聞くとよく分かる?!】

映画製作でスタッフを集めるとき、注意していることがある。問題ある人をチームにいれないこと。だが、簡単な面接で相手を知るのはむずかしい。初対面では「オレは結構やり手ですよ! ははは」というようなアピールをする業界人がいるが、仕事をするとまるで駄目ということがある。が、その人の本質が分かるのには月日がかかる。分かる頃にはトラブルを起こしている。

なので初対面で相手を知るときは、よく「どんな映画が好きですか?」と訊く。タイトルを上げてくれれば、そのジャンルで趣味が分かる。アクション映画か? ラブストーリーか? SF映画か? コメディか? そこから趣味思考が分かる。それは当たり前だが、映画の感想を聞くとその人の思考レベル、洞察力、潜在意識も分かる!?

先に書いた記事でも、シナリオを読んでくれた映画プロデュサーが「どんな感想をいうか?」で、その人の読解力や想像力が分かる話をしたが、同じ方法論だ。「作品にリアリティがないんだよな」という批評をする人がいる。それを専門的に説明できる人はOK。

「警察組織は捜査するときに基本的に2人1人組で行動し、所轄署は....」

とかマニアな知識を披露してくれるのなら分かる。が、そうでなければ問題がある。そもそも「リアリティがない」という言葉をそのまま解釈すれば「嘘っぽくて現実味がない。取材をせずに、いい加減に描いている」という意味。厳しい目で見ているように思える。

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が、多くは「そんな奴いる訳ないだろう?」とか「そんなことありえないよ!」と意味で安易に使うことが多い。なぜか? その言葉を使う人の多くは、自分が知らない事実や経験したことがない現実が出てくると実感できない。おまけに自分に関係しない世界に興味はない。想像もしない。

つまり、自分の経験値にないこと、自分の知らない事実と出会うと「想像できない」「イメージできない」とは言わず、「リアリティがない」というのだ。だから、脚本を映画関係者に読んでもらっていたデビュー前。その言葉が出て来たら「この人の感想は参考にならない。物語を十分に想像できていないな....」と判断した。

「俺は映画関係者だ。素人じゃないぜ!」

という自負がその種の人はあるのが困ったところ。あまり努力をせず、勉強していない人が多い。意地悪な分析だが、言葉にはその人の背景や考え方まで出てしまう。そんなタイプ。映画ファンにも結構いる。いずれでも「リアリティがない」という人は想像力がなく、狭い世界に生きていることが多いのだ。


「突っ込みどころが満載〜!」

というのも「リアリティがない」と同じように、その種の人たちがよく使う言葉だ。さすがに業界人でこれをいう人はほとんどいないが、その言葉を使う人の場合は「洞察力」がないことが多い。「突っ込みどころ」というのは、矛盾点のことを指す。「何でそうなるの?」「論理の飛躍ではないか?」「整合性がない」という意味だ。確かに安易に作られたドラマにはその種の展開が多く、シナリオ段階でしっかりと考えていないことがある。

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ただ、その場合は「心理展開に無理がある」とか「ストーリー展開の飛躍が多い」等の言い方がある。それを「突っ込みどころ満載」という小馬鹿にした、或るいわ嘲笑した表現をする。そして、その人が指摘した映画を見ると「突っ込みどころ」ではなく、その人が展開を理解できていないだけのことが多い。背景を把握していないとか、伏線を見落としているとか。そのためにストーリー展開が分からなくなっているだけ。

もちろん、テンポの早い映画や複雑な設定の物語だと付いて行けないことや「え?  何でこうなるの」と思うこともある。だが、そこで「僕は大事な伏線を見落としたのかな?」とか「背景をよく理解できていないかったのか?」と自分の問題点を顧みるものだが、そうは考えず「私が理解できないのは、ストーリーに問題があるからだ」と安易に解釈してしまう。そこが問題なのだ。

「突っ込みどころかが満載」=>「満載」という言葉、

物語に矛盾点がたくさんあるという指摘なのだが、学生映画ならいざ知らず、それなりのプロの映画だ。もしかしたら素人の僕が理解できていないだけか?と思わずに「満載」といってのけるのは、「俺はプロの問題点を指摘できるほど鋭い」という思いを無意識に感じているからだろう。

映画作りの経験がある訳でもないのに、素人なのに「私は優れている」と思い込んでいる。さらに自分の能力や言動を顧みようという意識がない。そして思い込みやすい性格。オタクな映画ファンに多いタイプ。映画を上から見下ろし、勘違いが多い。そんなタイプがよく使うのが「突っ込みどころ満載」という言葉。映画レビューを見れば、よく見かける。が、彼らは映画の本質や肝心な部分を見落としていることが多い。映画ファンというより、プロ作品、評判がいい作品を否定することで、自分の優秀さをアピールするためにレビューを書いている感がある。

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あと、こんな人もいる。「この映画の結末は途中で分かった。あの程度じゃ駄目だよ」的な人。しかし、これも先の2つと同じ落とし穴がある。「自分だけ、オチが分かった」と思っているのだが、ほとんどの人が分かっていることがある。「他の奴は馬鹿だから気づかないが、オレは優秀だから分かった」的なニアンスがある。

このタイプは人に認められることが少なく、それでいて自分の能力は高い。なのに....と不満を抱えているタイプが多い。しかし、どんな分野でも何かを作ったことがある人は、人の作品を安易に批判しない。また、仕事への愛があれば、上から目線で批判はしない。

そんな洞察力のない人、想像力のない人が映画製作に参加すると、いろんな意味で足をひっぱることになる。他のスタッフが理解できているのに分からない。意味のない努力をし、回りに迷惑をかける。自分の問題点に気付かず「シナリオが悪い、演出が悪い!」と言い張る。結果、トラブルとなる。だからチームに入れてはいけない。ちょっと意地悪な分析だが、分かりやすいので紹介させてもらった。

「どんな映画が好き? その理由は?」

最初に会ったときに映画の話をする。なぜ、好きか?嫌いか?を訊く。そこで先の言葉が出て来たら要注意。これは映画スタッフの話だけではない。映画を「見る力」も、世間を見る力も同じ。洞察力のない人は空回りしてトラブルを起こす。自分の非に気づかず、上から目線でまわりを批判して、誰かの責任を追求し始める。

学歴や出身地で人の力は分からない。だから、僕はそんな方法でまず、人の力や思考の仕方を知ることにしている。

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