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永田よしのりの映画講座④~変革してきている宣伝方法~ [映画業界物語]

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by 永田よしのり(映画文筆家)


 インディペンデント系列作品では、無料で使えるネットやツイッター、フェイスブックなどのSNSを最近は利用して作品情報を拡散することが多くなってきている。

 これは今風の口コミというやつだ。

 そこで情報を得るといっても、さらにその作品に興味を持っていない限り、その作品の情報を入手することはまた困難。いわゆる方法はあっても、とっかかりがないと、そこにたどりつけないのが、ネットの最大の弱点であり難点なのだ。

 もちろん、それ以外でも新聞広告や雑誌、地上派などへの露出は宣伝になる。

 ただ雑誌の場合は今でも出演俳優のグラビア的人気や普段の各メディアへの露出で、掲載の基準というのは制限されるし、新聞広告などは全国紙の1面で100万円単位で広告費がかかる。

 映画雑誌などの専門紙でも、よほどの引っ掛かりがないと表紙になったり特集記事を組まれることは難しい。

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 そして、今でも宣伝の最大のツールは地上派テレビ番組のスポット。出演俳優や監督が地上派テレビ番組に顔を出して作品の宣伝をするだけで、不特定多数の何百万人の人がその情報を得ることが出来るわけで、それは草の根的に一生懸命宣伝している者からしたら、垂涎の方法だ。

 しかしながら、そこにはお金がかかる。もしくはテレビ局とのパイプが必要になるので(テレビ局製作の劇場作品の場合、公開時期が近づくと1日に何回もその局の情報番組やバラエティ番組に、その映画関係者たちが出演してくるのを見るでしょう。あれは自社作品の宣伝なのだ)、なかなかに難しいのだ。

 さて、ということは、我々が観たい映画を見つけて、それが独立系インディペンデント映画だった場合どうすればいいのか?
 
 実は一番の方法は劇場窓口で前売り券を購入することなのだ。
 
 例えば前売り券が500枚ほど売れた映画と、3000枚売れている映画ならば、映画館はどちらの映画を優先するだろうか? という実に単純なパワーバランス。

 そこでしか〃いい映画〃の基準を映画館は見つけられない。
 儲かる映画が映画館にとってはいい映画なのだから。

 そして、前売り券が多く売れているということは、例え映画館側が「この映画知らないなあ」と思っていても、劇場で上映せざるをえないことにも変化していくわけだ。

 もう、映画の善し悪しなどは関係ない、全く情けなくも悲しい話だが、それが興行というものの実情であり現実。

 しかしながら、映画に対する付加価値というものは、その映画を観た観客の思いで変わっていくことは間違いなくあるのだ。


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