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映画作りでの最大の問題。悪徳製作会社が金を抜きまくること? [映画業界物語]

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映画作りでの最大の問題。悪徳製作会社が金を抜きまくること?

映画製作で諸悪の根源は製作会社であること。以前に書いた。スポンサーから出た制作費から必要以上の手数料を抜き、人件費をピンハネ。映画作りが困難になるほどの額にしてしてしまう。先日も制作費の80%を自社の利益として抜いた会社を紹介した。

もちろん、まっとーな会社もあるが、そうでないものが多い。それには理由がある。いくら素晴らしい映画を作り、大ヒットしても製作会社は歩合がもらえない。だったら、製作費からできる限り手数料を抜いて利益にした方がいいと考える。そのために、映画のクオリティが下がる。スタッフは連日徹夜で働く。皆がやる気をなくす。素晴らしい作品はできない......という結果となる。

だが、その種の人たちは言葉たくみに近寄ってくる。僕なんかにも「監督の情熱に打たれました。応援させてください!」とか笑顔で近づいて来る。最初は「無名の僕なんかを応援してくれるなんて、ありがたい!」と信頼するのだが、次第に本性を現し、目的は金だったことが分かってくる。

最終的には僕が集めた制作費なのに、監督料も脚本料も払わない。交通費等の必要経費も支払い拒否。平気で「もうお金はないんだよ!」などと言う。が、自社の利益はしっかり確保している。つまり「監督は情熱があるから、金を払わなくても途中で辞めず、借金をしてでも最後までやるから払わなくてもいい」と考えたのだ。制作費から必要以上に利益を取るだけではなく、監督料も、脚本料も、さらには必要経費まで取り上げて自社の利益にされた。

友人が監督した映画でも、製作会社のPがスポンサーに取り入り、監督を置き去りにして勝手に映画製作を進め、権利まで持って行ってしまった。そのくせ完成しても宣伝もしようとせず、投げ出してしまう。いくら映画がヒットをしても、会社の利益にはならないからだ。まるで寄生虫。だが、その手の会社は映画の世界に多い。

だから、僕は少し前から製作会社を入れずに映画作りをしている。製作費のほぼ全額を映画に投入して、より良い作品を作るためだ。何もしないで金だけ抜く会社にぼろ儲けさせても何の意味もない。会社の手先となるプロデュサーも雇わない。僕がPを兼ねる。あと事務的な仕事をするアソシエイト・プロデュサーとか、コープロデュサーに参加してもらい撮影を進める形だ。

本当に作品に愛情を持ってくれるスタッフだけで映画を作らなければ素敵な作品は作れない。「名目を考えて、いかに多くの金を抜くか?」しか考えないプロデュサーをチームに入れては、泥棒を仲間にして船出するようなものである。ただ、僕の場合やり過ぎて、自分のギャラまで製作費につぎ込み、完成したときは文無しということも多い。

でも、問題あるスタッフは、僕のチームにもういない。これまでは映画作りより、その種の人たちの戦いに多くのエネルギーを使っていたが、今は作品に100%の力を注げる。それもあって今回の「向日葵の丘」はいつも以上に評価が高い作品となった。が、映画公開を考えたとき、もうひとつ大きな問題がある。それは次回。詳しく説明する。

(つづく)


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