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そこそこいい映画なのに、興行的に大惨敗した理由? [映画業界物語]

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「そこそこいい映画なのに、興行的に大惨敗した理由?」

後輩の監督。新作が映画が公開されたが、

散々な結果となった。東京の観客動員は1日数人。客が入ったのは主演女優が舞台挨拶をした初日だけ。それでも満員御礼にはならなかった。あとは閑古鳥。散々な結果で終わった。

そして、このプロデュサーもまた惨敗の理由を「あの子は意外に人気ないんだなあ〜」と言ったそうだ。以前にも書いたが、今の時代に主演俳優の人気だけで客は来ない。多くのプロデュサーはその辺が未だに分からないようだ。

では、映画が大コケした理由は何か?

 一番は中身と宣伝だ。これは表裏一体。よく「いい映画を作れば口コミで広がり、客は来る」という人がいるが、業界のシステムが分かっていない。今、映画館での上映は基本的に最低2週間。ヒットすれば続映されるが、駄目だとそこで終了。

どんなにいい映画でも、たった2週間で口コミは十分に広がらない。例え、その作品が素晴らしいものでも、口コミが伝わり、客が増える頃には上映は打ち切られている。ツイッターやFacebookで拡散しても、数日で大勢が映画館に押し寄せるということはまずない。

だからこそ、宣伝をすることが大事。

「面白い」「面白くない」と言う前に、その映画の存在が伝わらなければ駄目だ。例えば友人から「***という映画、感動したよ」と言われたとき、その映画を知っていれば「だったら、見ようかな?」と思うが、全く知らない映画だと、「へーそう?」で終わること、多くないだろうか?

つまり、「いい」「悪い」の前に、映画の存在を伝えないと口コミが広がらない。いくら感動的な映画でも、知名度のない映画を口コミで広げるのは、もの凄く時間がかかる。結果、見たい人が増えたときには上映終了なのだ。

後輩の映画。まず、そこがアウト。宣伝は全くといって行なわれていない。なのに、都内の一等地の映画館で公開された。それなりの映画館では高い動員数が要求される。が、そのプロデュサーはチラシとポスターを作っただけ。どうも主演女優が人気があるので、それでヒットすると思い込んでいたようだ。

主演女優は実際、注目されていて

完成披露試写会ではマスコミが押し掛け、スポーツ誌等ではかなり記事になった。後輩の監督も「これは行ける!」と思ったらしい。でも、結果は惨敗。その映画館は彼の作品は二度と上映しないと激怒しているとのこと。

宣伝不足というより、宣伝しなかったからだ。後輩の作品、決して駄目な作品ではなく、可能性を感じさせる部分もある。映画ファンが見れば「なるほど」と思うだろう。それなりに宣伝すれば、それなりの観客動員が見込めたはずだ。それができなかったのは、人気女優を起用すれば客は来るという古過ぎる発想。そして、マスコミが取り上げれば宣伝になるという勘違い。

それら記事を読めば分かるが、映画の良さを紹介したものではなく、人気上昇中の若手女優が主演したことを伝えるだけのもの。それを読んで「よし、見よう!」という人は多くはない。先にも書いたがファンであっても、映画に出たからと見に行こうとは思わない。本人見たさに初日の舞台挨拶時しか来なかったのである。

当然、口コミにも繋がらない。

映画宣伝の大切さを痛感する出来事だった。例え、素晴らしい映画を作っても、宣伝しなければ客は来ない。人気俳優が出てくるからと安心したら駄目。ポスターとチラシはどの映画でも作る。それ以外に何をするか? どんな宣伝をするか?が大事。

もちろん、後輩の映画は充分な宣伝費がなかったこともある。巨大企業が作った映画以外は皆、抱える問題だ。テレビでスポットを流すだけでも何千万円もかかる。でも、できることはある。お金をかけなくてもできること。

だから、僕は映画公開の1年前からFacebookとブログで映画の告知をする。ほぼ、毎日、記事を書く。だが、ほとんどの監督は公開前になって数回、ネットで告知をするだけ。そんなことで十分な訳がない!

後輩もまさに、そのパターン。

プロデューサーも問題あるが、彼にも責任がある。今の時代。映画は簡単にはヒットしない。まずは、映画の存在を伝えることだ。後輩の失敗を繰り返さないように、がんばる!

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