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向日葵の丘ー監督日記  数日間の休養。心配無用ー今回は自宅入院なし? [ポストプロダクション]

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ここしらばくの記事を読み、「大丈夫ですか?」と連絡をくれた友人がいる。鋭い! というか、毎度のことなので、皆、心配してくれているようだ。毎回、映画が完成すると、或いは公開が始まると、倒れて何ヶ月も寝込む。「青い青い空」のあとは半年も自宅入院生活。医者に行くと「重度の過労!」と診断された。そして「過労をなめちゃいけないよ。ある日、バタッと倒れて本当に死ぬんだからね!」といわれた。

実は、倒れる以前にも体調が最悪で医者に行っており、そのときも「過労」と診断された。過労はビタミン剤をもらうとか、点滴を打つということで良くならない。充分な休養を取るしかない症状。医者からは厳しく「仕事をしばらく休みなさい。無理を続けると本当に死ぬからね!」と言われた。

働き過ぎくらいで死ぬかあ?と思う人もいるだろう。僕も最初はそう思っていた。が、たまに新聞記事で見かける「過労死」朝、元気に家を出たサラリーマンが会社で倒れて、そのまま死んでしまうという事件。あれが過労死である。本当に限界まで働いても精神力でもってしまうところがあり、体が限界を超えて、どかかしらが破綻。死に至るのだ。

だが、映画の仕事というのは、土日、祝日もなし。盆暮れ正月もない。おまけに僕の場合は7人分の仕事をする。いつも、クランクイン前にはすでに、ヘロヘロ。監督業以前の仕事も全て僕自身がやるからだ。倒れそうな状態であることが多い。でも、それをスタッフ&キャストにバレないように元気に振る舞う。撮影が終われば、スタッフ&キャストの仕事は終了。だが、監督である僕は、そこから2−3ヶ月に渡る編集作業が始まる。完成後は宣伝活動。そんなことで1年くらいすぐに過ぎてしまう。

「青い青い空」のときは製作費集めから、スタート。完成まで4年かかった。その間、休みなし。ようやく東京公開されて、ほっとしたとたんにバタ!何ヶ月も起きられなかった。医者には「死んでいてもおかしくなかったんだよ!」と怒られた。が、それは承知の上。映画を作るときは毎回、遺作だと思ってやる。だから、無事完成してから過労死するなら本望。でも、半年も寝込んだのは辛かった。50歳を超え、次同じことをしたら、本当に過労死だな?と痛感はしている。

そして、今回の「向日葵の丘」実は前作の「朝日のあたる家」から繋がっている(?)というのも、「朝日」をスタートさせたのが2012年7月。そこから製作費集めを開始。ロケハン、風景撮りもスタート。翌年の2013年3月に撮影。そこから編集。5月に完成。休む間もなくロサンゼルスの映画祭へ。帰国してからは日本公開。

各地の舞台挨拶ツアー。年が明けた2014年(今年)もツアーは続く。日本各地で宣伝活動。それと平行して、「向日葵の」のシナリオ書き。「朝日」映画館公開終了が3月。4月下旬から「向日葵」の撮影。5月終了。その直後から編集作業が3ヶ月。そして今。2年4ヶ月間、休みなしの日々が続いた。その間に7人分以上の仕事。

そして、カラコレ作業がほぼ完了に近づき。現在、担当者が別の仕事をしているので、その終わり待ちで、ここ数日、本当に久しぶりに時間ができた。で、「映画館で映画を観よう!」と出かけようとして、途中でもの凄い疲労感に教われて断念。帰宅。ここ数日、寝込んでいた。でも、Facebookを更新しないと「あ、ついに監督は死んだな!」と思われるので、それを匂わす記事を上げておいたら、それを察知した友人から連絡があったのだ。

でも、ご安心を。今回は以前ほど酷い状態でなく。テレビを観ることもできる。過労で倒れてみると分かるが、テレビさえ観れなくなる。集中力が減退し、本当に何もできず、1日ベットの上で寝たまま。まさに、自宅入院状態となる。だが、今回は起きてFacebookを書くことができるし、テレビ番組どころかDVDで映画を観ることもできる。これは過労度から行くとかなり回復に向かっている状態。これで本が読めるようになれば、あと少しとなる。

振り返ってみて、「向日葵」の戦いも、かなり大変なものではあった。以前以上に、1人7役、8役をこなした。が、「朝日」以後は困った関係者は参加させず来たことで、ストレスが大きく削減されたことが大きいかもしれない。

現在、Pは僕1人。全て僕の責任で映画製作をしている。何があっても全て僕の責任。だから、あれこれ口を出す人。間違った考えを押し付ける人。古い価値観を振り回す人は排除。本当に「いい映画を作ろう」という仲間とだけ、作品作りをしている。今回、前回ともに、評判がとてもいいのは、そんな素敵なスタッフ&キャストが参加してくれたことがもの凄く大きい。

映画製作というのは、どんな低予算作品でも、金目当てで、潜り込もうとする輩がいる。「監督の情熱に打たれました!応援したいです」とかいって近づいてくる。が、彼らは決して「素晴らしい作品」を作ろうとは思わず、僕を飛び越えて、スポンサーに取り入ろうとしたり、応援してくれる著名人に顔を売ることに必死になる。古い価値観を振り回し、自分がやりやすい環境を作ろうとする人。或いは、隙あらばプロジェクトを乗っ取り、自分の好きにしようとする連中までいる。

そんなふうに映画製作を食い物にしている輩は、この世界に多い。一度、仲間に入れると、追放するのはなかなか大変。そいつの正体を見抜けず、庇う奴まで出て来て、悪意のない者まで排除せねばならなくなることもある。まるでがん細胞。次第に映画製作そのものを蝕むので、素晴らしい作品を作るどころか、撮影を終わらせるだけで精一杯になったりする。映画作りより、がん細胞との戦いに多大なエネルギーを費やしたものだ。

そんな輩を閉め出したことで、より素晴らしい作品が出来るようになり、僕のストレスも減り、今回も過労死せずに済みそうだ。「思い」あるスタッフのみんなのお陰。間もなく、カラコレ作業が再開。同時に、メイキングや予告編作りもスタートする。まだまだ、ゆっくり休養とは行かないが、今回は倒れずに行けそうだ。


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