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「自分に何ができるか?」探し続ける若者たちが選んだ会社と、その現実 [My Opinion]

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子供たちを応援する映画

を作っているくらいなので、僕は若い人に期待、応援している。思い出すのは若い頃には大人たちはこう言われたこと。「最近の若い者は...」その言葉に反感を持っていた。大人たちのいう「最近の若い者」の定義のほとんどは、自分たちの若い頃との違いを上げ、「俺たちはがんばっていたのに今の奴らは駄目だなあ」というもの。

さらに突き詰めて行くと、価値観の違い、時代の違いが大きい。貧しい時代を過ごした人たちが自分たちの子供時代と比べて、今の子は贅沢だ。努力が足りないと批判していることが多く、「大人って馬鹿だな〜」と10代の頃は感じていた。だから、自分が大人になったときは、「最近の若い者は...」とだけは絶対に言わないようにしよう....と考えていた。

が、その台詞を同じ歳の友人がよく口にするようになった。彼は大手ビデオメーカーに勤める。アメリカ映画の大作から、日本の有名アーティストの音楽ビデオまで、様々なDVDを発売している。そのために就職希望者が多く、彼も面接に何度も立ち会ったそうだ。ただ、若い人たちの期待とは裏腹に、仕事で直接に有名アーティストや俳優たちと会うことはほぼない。ほとんどの仕事がデスクワークであり、地味なものだという。

なので、面接のときにはそのことを

詳しく伝える。「それでも御社で仕事したいです!」という者を選ぶという。なのに、入社して半年もすると、仕事を辞めたいといってくるらしい。理由を訊くと「期待していたものと違う」という。あれほど、有名アーティストと会うことはない。映画や音楽を直接作ったりはしないといっているのに、「想像と違って失望した」というのだ。

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さらにこんな若い人もいる。

「私は何かをしたい。でも、何ができるか?分からない。だから、映画や音楽を作るこの会社で仕事をすることで、自分の能力を発見したい」そんなことを面接でいうらしい。友人は激怒する。「うちは啓発セミナーではなく、仕事をして給料をもらう会社なんだよ!」おまけに、その種の人たち。自分探しをしたい。というより、自分の力を会社に見いだし、発見して、使ってほしいという思いが強いらしい。

なのに、会社で与えられる仕事はデスクワークばかり。自分の能力を探してくれない。期待はずれ、だから、辞めるというのだ。さすがの僕も、それは違うよな〜と思える。でも、10代のときに「最近の若い者は」といっていた大人にはなりたくないので、いろいろ考えた。

まず、言えるのは、すぐに辞める社員。自分ができることを自分で探さずに、会社に見つけてもらおうという点。これは呆れる。が、その背景を考えると分からなくはないと思える。彼らが受けた教育。僕らの時代以上に管理が進み。与えられることをするだけのもの。

自発的に何かをすることは奨励されない。

ここしばらく何度も書いたテーマだが、「暗記」が中心。いや、ほとんどが暗記。「考える」という教育はほんのちょっぴりだ。そんな教育の中で分かるのは、自分は英語が得意、数学が得意。歴史が得意ということぐらい。

でも、どの教科もできなければどうなるのか? 自分は何も出来ない。と無力感に打ちのめされるだろう。僕らの時代は「俺はアホやから、大学行かずに働く」!」という友人もいたし、「それでも大学くらい行かないと恥ずかしいから」と大学に行き、特にやりたい仕事もないけど、給料がもらえるからと就職した連中も多かった。彼らは深く考えようとはしなかった。

友人の会社に就職した人たちも、たぶん成績は悪いかったと思う。得意科目もない。けど、僕の同級生たちのように「俺はアホやから」とは思いたくなかった。「何か俺にはできることがあるんじゃないか? 音楽や映画のソフトを出している会社に入れば、それが見つかるかもしれない」と考えたのだろう。

ただ、そこには2つ問題がある。

まず、「ビデオメーカーなら他の違う!」と考えたが「暗記」「暗記」で考える力が育っていない彼らの読みははずれ。他の会社と同じだった。そして、「自分の能力を見いだしてくれるかも」というのも駄目。会社は能力を見つけてくれるところではなく、能力を売って給料をもらうところだからだ。結局、「暗記」「暗記」の教育で考える力がなく。自分の能力を自分で見いだすこともできず。会社に頼って就職。やがて失望。辞めるという結末だったのだ。

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考える力が本当に貧しい。

が、ある意味、管理教育の犠牲者かもしれない。それでも、いえるのは、僕の時代は「***がしたい!」と明確な夢を持っている奴らが少ないけどいた。夢はないけど何かしたい。という奴もいたけど、そんなタイプは行動を起こさなかった。「世の中こんなもんじゃ〜」とあきらめていた。なのに、友人の会社に就職した若者たちは「自分の能力」を探したい!と思ったのだ。それだけでも僕らの時代とは違う。友人にはそう告げたのだが、彼はこういう。

「他力本願なんだよ。

自分の力は自分で探すもんなんだよ。お前は彼らを弁護するけど、結局、努力せずに楽しい仕事をしたいだけ。ああやって、ないものねだりばかりして、どの会社に行っても期待する仕事なんてできないんだから、会社をさまよい、結局、ものにはならず。人生終わるんだよ」

そうかもしれない。でも、本当は別の道があるんだ。でも、そのことを学校や大人は教えてくれない。だから、映画で伝えたい。決して楽な道ではないが、方法はある。絶望してはいけない。


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