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僕の映画テーマが「親子に伝える大切なこと」になった理由ー2009年12月のブログから [My Opinion]

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2009年12月のブログから

 僕が作る映画。いつも、ひとつのテーマがある。

「子供たちと、その両親に伝えるべき大切なこと」前回の「ストロベリーフィールズ」も、そのテーマで描いた。次の作品もそのテーマで映画を作りたい。でも、今度は何を題材に何を伝えるべきか?考えていた。

 どんな映画を作れば、子供たちを励ますことができるのか?子供を持つ親たちに、メッセージできるのか? その答えが次回の映画なのだが、そこに行きつくまで、この10年。考えてたことがある・・・。

 僕らの子供時代。昭和40年代。1960年代後半から70年代前半。振り返ってみる・・・。親は必ずこういった。

 「勉強しなさい!」

 当時の子供番組を見れば、必ずそのセリフが出てくる。そう。当時は高度成長時代。しっかりと勉強をして、成績を上げ、いい大学に入れば、いい会社に入れて、終身雇用で、一生安泰だった。だから、子供たちの幸せを願う親たちは、「勉強しろ!」と言い続けたのである。それが平成に入り、90年代に突入した日本は大きな変化を迎えた。

 バブル経済が崩壊。

長い長い不況がやってきた。土地神話が崩れ、誰もが信じて疑わなかった銀行が倒産。大手企業も続々と潰れ、あるいは大量のリストラが続いた・・・。平成の不況、10年以上も続く・・・。昨年。ようやく景気回復の兆しが見えてきたとき。リーマン・ショック・・・・。再び日本は、不況のどん底に落ちて行ったのである。

 時代は大きく変わった。昭和40年代のように、真面目に勉強していい大学へ行って、いい会社に入っても、安泰ではないということだ。いつ会社が潰れて、路頭に迷うか分からない。 いつリストラさせれて、職を失うか? 分からない状況なのだ。一生懸命勉強をし、いい大学に入るだけでは幸せになれない時代だ。

そんな今、親は子供に何を伝えていればいいのか? 

父親となった同世代の友人。子供に何を言っているのか? 聞いた。今も「勉強しなさい」と言っているらしい。勉強しても、幸せはつかめないのに、なぜ、そんなことを言い続けるのか? 今の時代がどういう状況なのか? 分かっていないのではないか?

 しかし、新聞やテレビのニュースを見ていれば誰にでも分かる。一流企業に入っても、安泰はない。父親でもある友人。なぜ、今も「勉強しろ」と言い続けるのか? こう説明する。

「勉強してもダメなことは分かっているよ。でも、それしか子供たちに言えることがないんだ・・」

 悲しい話・・・だと・・・思った・・。

確かに今の時代。これをしておけば、OKということはない。**をしておけば一生安泰ということはない。同時に気付いたことがある。

 当初、僕の映画のテーマは「子供たちに伝える大切なこと」だった。でも、その後、親の世代と交流を持つ内に気付いた。親たち自身が未来が見えなくなっている。今の時代を把握せず、子供たちを間違った方向に導こうとしているように思えた。子供たちを愛しているのに、歪めようとしているそんな現状が見えてきた・・・・。

 親が何を子供たちに伝えていいかわからない時代。

僕のテーマは「子供たちに伝える大切なこと」だが、それ以上に親たちに「大切なこと」を伝えねばならない・・・と強く感じた。では、何を伝えればいいのか? 今の時代。本当にこれをやればいいということはない。だから親の世代も悩んでいる。

 そんな中で、僕なりの思いを描いたのが前作「ストロベリーフィールズ」だ。テーマは「どうすれば、本当の友達ができるのか?」「どうすれば、友情の絆を育むことができるのか?」そして・・・・

 「本当に自分の気持ちを理解し、助けてくれるのは、友達であること」

 そんな「思い」を物語にした。同時に親たちに対して・・・「子供の声が聞こえていますか?」 「子供の姿が見えていますか?」 「子供の思いを理解していますか?」 そんなメッセージを送った。映画公開後。大きな反響があった。ロケ地の地元高校で教える先生。当時、こう言ってくれた。

 「『ストロベリーフィールズ』は教師と生徒。親と子が一緒に見て、一緒に話し合うべき映画です」

 そして、教職員組合のイベントで上映。本当に親と子。教師と生徒が一緒に「ストロベリー」を見てくれた。僕の思いが伝わったことを感じた。「親と子に伝えるべき大切なこと」そのテーマが受け止められたと思えた・・映画「ストロベリーフィールズ」を見た人から、手紙やメールが数多く送られ来た。

 僕のブログには、もの凄い数の書き込みがあった。

「感動しました」「泣けました」という感想だけでなく、「親のあり方」「子供への視点」「友達の大切さ」「命の問題」様々なことを綴った内容だった。いろんな町で、いろんな形で見てもらえた。

 しかし、思うことがある。子供たちはまだまだ大きな問題と直面している。時代は相変わらず、厳しい。次に僕が伝えるべきことは何か? その答え。長らく探し続け、書道の中に見つけた・・・・。混迷の時代。大人が子どもたちに伝えるべきことは何か?そして、親たちは時代とどう向き合い、進んでいくべきなのか? 次回作で、それを伝えたい!(2009年12月)


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