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脚本家デビューまでの物語①ー帰国ー東京再出発編 [思い出物語]

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 今から20年ほど前。USC(南カルフォルニア大学)映画科で学び、帰国したあと。日本で映画監督になるべく、バイトをしながらシナリオを書いていた。シナリオは高校時代から書いていた。キネマ旬報に載ったものを見て、マネして書いた。

 横浜時代(高校卒業後)も自主映画をしていたので、シナリオを書いた。そんな延長で帰国後もシナリオを書く。映画界では「助監督」=>「監督」というコースが崩壊しており、可能性があるのは自主映画を撮って認められること。あるいはシナリオを書き、認められて監督デビューしかなかった。

 1年がかりで書いたシナリオ。業界の友人が気に入り、ビデオ映画化を考えてくれたが、会社側が拒否。潰されてしまう。その後もシナリオを書いては、業界の友人や映画ファンの友人に見せて、批評してもらった。あとで分かってくることだが、プロデュサーという人たちが「これはいい!」ということはまずなかった。

 彼等に「いいもの」を見抜く目はないことも痛感する。(のちに僕が書いたシナリオを見た、とあるテレビ局映画部のプロデュサー。「これは映画として成立していない」と言われたが、映画化すると映画館では何度も拍手が起き、場内号泣となった)結局、彼らの価値観は原作が100万部売れているとか、人気アイドルの***さんが出演するからそんなことでしかシナリオを判断できないのだ。

 また、一般の友人に読んでもらっても無意味なことが多かった。シナリオを読み慣れていないことがあり、どんな映像になるか?想像できない。小説だと思って読んでしまう。感想はだいたい同じ「何か足りない」でも、何が足りないか? 言える人はいない。

 そして、「シナリオ。読み慣れてないから分かりづらいよね?」と訊くとほとんどの人がこういう「いいや、ちゃんと読んだ。内容も分かった。でも、何か足りない」だが、ほとんどの友人が内容を理解してなかったことはあとで分かる。

 足りなかったのは友人の「想像力」。シナリオではどんな風に台詞を読み、どこで音楽がかかり、効果音がどんなふうなのかは書かれていない。俳優も想定して読まないと、誰が演じるか?で大きく印象が変わる。でも、そこまで想像して読んでもらうのは難しい。読ませた僕の方が悪い。一番、参考になったのは、映画ファンの友人。

 彼等は学生時代にシナリオを書いていたり、映画を見たあとに、その作品の脚本を読んでいたりと経験があるので、下手なプロデュサーより見る目があった。あと、現役の監督。脚本家。やはり、プロなので見る目は鋭い。そんなふうにシナリオを書いては見せてまわる時代が続いた。

 が、いくら映画ファンの友人が評価してくれても映画化の権限がある人たちが認めてくれないと、監督デビューはできない。それこそ、「漫画原作の映画化権をとってきて売り込んだ方が早い」と言われた。それでも、オリジナル脚本にこだわり。シナリオを書き続けた。

 (つづく)


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