もう一度観たい名作映画「アメリカングラフィティ」 今も忘れられない青春映画の傑作! [映画の話]
もう一度観たい名作映画「アメリカングラフィティ」 今も忘れられない青春映画の傑作!
仕事では青春映画ばかり監督しているが、実は青春映画はあまり好きではない。というのも高校時代は本当に最悪の、暗黒時代で、とても青春と言えるしろものではなく、そんな頃に楽しげなアメリカの青春ものを観ると「悔しい!」という思いが先に立ち、毛嫌いしてしまったような気がする。
それでも、この「アメリカングラフィティ」は別格。我が青春のベスト3に入る作品だ。もともと、有名な作品なので存在は知っていたが、やはり77年に「スターウォーズ」を見て、あんなSF映画を撮る監督が作った青春映画ってどんな?と思ったのだがきっかけだった。
西海岸の小さな町。モデスト。1960年代。ハイスクールを卒業。明日、町を発つという2人の若者。彼らを取り巻く人々の一晩の物語。リーゼント、Tバード、体育館のダンスパーティと当時を思わせるものが次々に登場。
特に全編に流れる60Sのロックンロール・ナンバー。チャック・ベリー、ビルヘイリー、プラターズ、ビーチボーイズ、映画ではお決まりのBGMは使われず、全て当時のヒット曲だ。
あのハリソンフォードも出演しており、当時を知る人ならウルフマン・ジャックも懐かしい。だが、この映画で一番凄いのはラストシーン。ほんと「人生って何だー!」と叫びたくなる。そのあとエンディングがビーチボーイズの「オールサマーロング」が流れる。打ちのめされてしばらく席を立てなかった。タイトルそのラストシーンがこの映画を単なる青春ものでない名作に押し上げている。
ロケ地は監督ジョージ・ルーカスの故郷である。そのルーカスに憧れて僕は彼が学んだ大学USCに留学した。帰国後、初めての監督作は故郷を舞台とした青春もの。そう、ルーカスの映画の影響は凄く受けている。ちなみに、「アメグラ」を初めて見たのは高校3年のとき。主人公のカートたちと同じ年だったのもあり、もの凄い衝撃を受け、映画館からの帰りにサントラ版を衝動的に買ってしまった。
当時、レコードは高価で、2枚組は5000円した。1ヶ月の小遣いが5000円。その月は何もできなかったが、そのサントラ版を卒業まで毎日聞き続けた。