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【「苦言は薬なり、甘言は病なり」と大人はいうが、本当は違うんだよね?】 [【再掲載】]

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「うるせーなー放っておいてくれよ〜」

といいたくなるような苦言ほど、役に立つ。と、若い頃に大人からよく言われた。が、今になってみると、実はそうではなかったと思える。

アメリカ留学から帰国して、アルバイトをしながらシナリオを書き続けていたころだ。親しいプロデュサーや脚本家。監督や俳優。と業界で仕事をする人たち。そして同世代のカタギ友人にも書き上げたシナリオを読んでもらった。プロデビューする前であり、まだまだ、書く力もないし、物語を作る力も貧しかったので、とにかく書いて読んでもらい、上達しようと思った。

だが、その人たちの批評はほとんどが否定だった。それどころか「君、才能ないんじゃない?」「こんなものじゃプロにはなれないな」とまで言われた。

「僕はまだまだ、力が足りないんだ....」

と何度も落ち込んだ。だが、いろんな人の意見を聞いている内に「あれ?」と思うことが出て来た。僕の書いたシナリオがまだまだだとしても、多くの人が物語の世界観や設定を理解しておらず。当て外れな指摘をしていることに気付いたのだ。

「理解できない」=>「面白くない」というのは違う。「理解できない」=>「分からない」が本当だ。「理解できる」=>「でも、面白くない」なら分かるが、そうではなく、多くの人は間違った解釈をして、間違った批評をしていた。

当時、僕はSFのシナリオを書いていた。今ほどSFが認知された時代ではなく。SFになじみのない大人たちには理解しずらかったということもある。今日でこそ「ターミネーター」のような人間型ロボット。タイムスリップ。

「マッドマックス」のような荒廃した未来。エイリアンの襲来も映画ではお馴染みな設定だが、日本映画がそれらを取り入れたのは極々最近のこと。幽霊が出て来ると「ホラーだね?」といわれる時代だった。幽霊ファンタジーはホラーか?

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ただ、同世代のマニアックな友人はその手のハリウッド映画や日本の漫画、石ノ森章太郎や永井豪を読んで来ているので理解して賛同してくれたが、当時のオジさんたちは全く理解を示してくれなかった。ここでもし「苦言は薬なり、甘言は病なり」と考えたら、どうなっただろう? 業界の大人たちの批判が「苦言」であり、同世代の友人たちの賛同が「甘言」と解釈しただろう。

「そうだ。僕はまだまだ甘い。努力が足りない。同世代の賛同なんかで喜んでいてはいけない。大人たちの厳しい批判こそが薬なんだ。彼らに認めてもらえるような、いいシナリオを書けるようにがんばろう!」

そう思ったに違いない。しかし、今にして思えば、業界の大人たちは当時としても、頭が古く、新しい価値観を理解できない人たち。それから20年、日本映画のほとんどが漫画原作となり、エイリアンやロボットが当たり前に出て来る作品になっている。ジャンルだけの問題ではない。あの当時も感じたが、やはり彼らはセンスが古く、過去の価値観を振り回していた。

もし、それを「苦言」であり「薬」だと思ったら「僕には実力がない。映画の世界で働くのは無理だ」と考えたかもしれない。が、生意気だったのでこう考えた。

「何でこの世界感が分からない。プロってアホが多いんだな?」

彼らの批評や感想を重用視することはなかった。だからこそ、その後、脚本家デビューもできたのだと思える。

若い人に伝えたいこと。大人の忠告や意見の全てを聞く必要はない。それは「薬」ではなく、単に古い価値観を振り回し、新しいセンスを理解できないことが多いからだ。何より日本人は批判が好きであり、がんばる人を否定するのが大好き(?)だ。自分が「正しい」と信じることを続けるべき。「苦言は薬」ではない。




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