【夜空を見上げながら考える。幸せはどこにあるのか?】 [【再掲載】]

【夜空を見上げながら考える。幸せはどこにあるのか?】
「幸せって何だろう? どこにあるんだろう?」それが今の僕のテーマだ。前作「朝日のあたる家」あたりから、それを探している。その答えはなかなか見つからず、「向日葵の丘」でそのひとつを提示したが、今もなお答えを探し続けている。
金持ちになることか? それだけではないと思う。ただ、お金は生きて行く上で必要だ。必要だが、それに執着すると大切なものをなくしてしまう。友人の1人はかなり稼いでいるが、長時間労働。家に帰ると最愛の幼い娘はすでに寝ており、朝は友人より早く小学校に行ってしまう。
たまの日曜日は、彼自身が疲れ切っていて昼まで寝ている。娘と過ごせる時間は本当に僅かなのだ。それもそれでひとつの幸せかもしれないが、彼は仕事を減らしてでも娘と過ごす時間がほしいという。ただ、仕事がそれを許さない...。

「有名になりたい!」という友人もいた。「俳優になって、スターになって、有名女優と結婚したい」といっていた。結局、それは適わなかったが、有名になった俳優を見ていても幸せ感がない。皆が笑顔で寄って来る。誰が本当の友達か?分からないという。プライベートにどんどん入り込んでくる人たちがいる。もう、放って置いてほしいと嘆く。
「自分がやりたい仕事をすること」という友人もいる。彼はミュージシャンを目指していたが、挫折。故郷に帰り就職した。友人はいう「太田がうらやましい。お前は映画監督になりたいといい、本当になった。ラッキーな奴だ」でも、羨ましがられるほどのものではない。映画は毎年撮れる訳ではない。
仕事がないからと、昔のようにアルバイトもできない。50歳を過ぎて何をすればいいのか? 日本の監督業は過酷。ハリウッド監督のように金持ちには絶対なれない。退職金もない。家も買えない。いや、結婚すらできない。好きでやっているのだが、幸せ感はない。

つまり、夢は適えばハッピーだが、監督になることは目標へのスタート地点。「監督になれて嬉しい!」ということではない。作った映画を見て観客がハッピーになるーそこで始めて僕の「思い」が果たされる。
そこが大事なのだ。職業として監督になることが夢を果たしたことにはならない。そうなると、観客が感動してくれる、どんな映画を作るか?が次のテーマになる。そのテーマこそが「幸せとは何か?」となのだ。
結婚して愛する人と生活することか? 子供の成長を楽しみに生きることか? 理解ある友人たちがいることか? 仕事の上で素晴らしい仲間がいることか? しかし、人は変わり、妬み、堕落して行く。詰まらぬことで争い、批判し合い、下らない優越感をひけらかす。
何を信じて、何を掲げればいいのか? 時代の風が吹き始めている。その風はどこに行こうとしているのか? 流れる夜空を見ながら、その答えを探している...。

2016-07-23 08:45
nice!(0)
コメント(0)
トラックバック(0)
コメント 0