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「向日葵の丘」感想ー「8ミリは思い出のタイムカプセル」★★★★★ [今年アクセス数500超えの記事紹介]

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Yahoo!映画レビューの感想

とにかく好きな映画。時代設定の1983年はまさに自分もこの映画の主人公たちのように8ミリ映画を作っていた。寝ても覚めても映画のことばかり考えていたあの時代。そんな記憶と映画の多香子たちの姿がダブり(性も容姿も全然違うけどね)ワクワクしながら悪戦苦闘ぶりを楽しめ、懐かしい気持ちに満たされた。でも「だからこの映画が好き」ってことの全てではない。

物語の設定は1983年と現在。それぞれが同じくらいの比重で描かれている。その30年の間にバブル景気や大不況、映画には描かれていないが2度の未曽有の天災や様々な事件・事故。そんな30年の重みが大人になった多香子たちから伝わってくる。昔の大切なものはことごとく失われたり形を変えたりしてしまった。その喪失感と無常観。時の流れは残酷で容赦ない。そう思うと気持ちが暗くなるものだが、そんな中で残ったものは何か、大切にすべきものは何か、といったテーマが胸を刺し感情を揺さぶられ、気が付けば大落涙しているのだ。

それにしても上手いなと思ったのは8ミリ映画の扱い。封印された映画は30年の時を経て突然現代に現れる。多香子たちと共に観客もみんなで一緒にタイムカプセルを開けたような錯覚に陥る。あの日、あの時のあの感じ、あの思いが蘇る。

これでふと思い出したのがドラマ『北の国から』。後半怒涛の回想の連続で涙を搾り取られた記憶があるが、この映画の8ミリには同様の効果があると思えた。『北の国から』は長い年月を要して作られたため、その長い年月や様々なエピソードを思い出して感動したのだが、対して『向日葵の丘』は僅か2時間ちょっとの時間で同じくらいの気持ちにさせてくれたのだから見事だ。それに回想はあざとく思えるところもあるのだが、8ミリ映画にはあざとさは無く、物語の流れの上で必然的に使われている。

…と書いてきたら、もう一度観たくなってきた。おそらく今後、何度でも観たくなる映画だろう。自分の人生を振り返るように『向日葵の丘』を振り返ろう。そして多香子(芳根京子)が家を後にして、ただ歩いていくだけのシーンが「凄い」と感じてしまった理由も解明しよう。



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