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「向日葵の丘」の物語はいかにして誕生したのか?!① [インサイド・ストーリー]

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【「向日葵の丘 1983年・夏」の物語はいかにして誕生したのか?!①】

原作小説のないオリジナル・シナリオで「向日葵の丘」は映画にしている。つまり、僕自身が作ったストーリーを、僕自身が脚本にして、それを自身で監督した。多くの人が感動した。泣けたといってくれて大好評。皆「素敵な物語だった」といってくれる。では、その物語はどんなふうにして作られたのか? 今回はそのことを書いてみる。

ずっと以前から1983年を舞台にした青春ものを映画にしたいと思っていた。というのも僕の母校USC映画科の先輩でもある「スターウォーズ」のジョージ・ルーカス監督が1962年を舞台にした青春映画「アメリカン・グラフィティ」という映画があるからだ。影響を受けて、僕も過去を舞台にした青春映画を作りたいと思ったのだ。特に1983年。当時、僕は高校を卒業後、横浜の映画学校に通いながら、学生映画をやっていた。その時代を、そのときの仲間を物語にしたかった。

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だが、20歳前の男ばかりが8ミリ映画を作る物語は今の時代に合わない。観ている方も楽しくないだろう。そこで主要登場人物を女子高生にして、青春映画にすることにした。女の子がメインは得意だ。というか、僕のこれまでの作品は皆、女子高生が主人公である。映画研究部を舞台にして文化祭のために四苦八苦して8ミリ映画を作るという物語がいいだろう。僕自身が学生映画をやっていたので、詳しい分野だ。

よく日本のドラマであるのが、その題材を知らずにシナリオを書いていること。カメラマンという設定なのに、カメラに関する知識なしで書いていたり、宣伝業界が舞台なのに、おかしな設定だったり。例え、その世界を知らない人が見ても「何か変だな?」と感じて、物語に入り辛くなる。まして、詳しい人が見ると「ありえないだろー!」と思え、拒否感を持ってしまう。

だから、8ミリ映画作りについて勉強しないとシナリオを書けない。が、先にも書いた通り、学生時代に経験があるので、問題なし。以前作った「青い青い空」のときは書道部の話だったので、まず書道を勉強するところからスタートしたが、今回はノープロブレムだ。カメラの機種。フィルム。現像。全てOKだ。

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しかし、問題がある。その書道映画「青い青い空」がめちゃめちゃ評判が良かった。つまり、前回は書道部、今回が映画研究部。業種(?)は違うが、同じく女子高生がゼロから学んで、クライマックスに向かうという同じパターン。「青」では書道のデモンストレーション大会。そこで大字(大きな紙に大きな文字を書く)がクライマックスがあり、多くの人が涙して見てくれた。

では,今回はどうか? 文化祭で8ミリ映画上映? んーーーそれでは盛り上がらない。前作は大会で主人公たちが大きな筆で大きな文字を書くという、派手なクライマックスなので、観客は「がんばれ!」と応援したくなった。が、映画の場合は、フィルムを上映。主人公たちは見ているだけだ。観客は「がんばれ!」とは思わない。

主人公たちが作った8ミリ映画が30分ものだとして、その30分を全て見せても観客は感動はしない。ここが文化系クラブを映画にするむずかしいところなのだ。野球でも、サッカーでも大会というクライマックスを作れるが、美術部とか、写真部とか、作品の発表会があっても、作品を飾るだけなので、映画的に盛り上がることはない。

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書道も本来そうだが、実在しない書道デモンストレーション大会(あるテレビ局がそのアイディアをパクリ実際に開催したが、こちらが先!)をクライマックスにして、スポーツものと変わらぬ映画にすることができた。が、映画研究部も先の文化部と同じ。8ミリ映画を上映するだけでは、盛り上がらない。さらに「青い青い空」はもの凄く評判がよくて、多くの人が感動してくれた。だから、必ず比較され「青」の方がよかったなーーと言われるだろう。

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前作を超えるというのも映画作家として大事なこと。まともに作っては「青」には勝てない。これは撮影現場での努力ではなく、いわゆるカルチャー挑戦ムービー(「シコふんじゃった」「スイングガールズ」等)の路線では映画研究部ではクライマックスを作れないということなのだ。どーすればいいか? ここで行き詰まってしまった。

いろいろ考えて、数年前のある出来事を思い出した。まさに、前作の「青い青い空」がLAの映画祭に招待され、渡米したときのこと。そのときの体験が「映画研究部」物語を感動のドラマにしてしまうのだ.....が、長くなったので、それは次回。お楽しみに!(つづく)


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