太田映画の題材は毎回ユニークだ。もし、次回作があるのなら何になるのか? [以前の監督作品]
【太田映画の題材は毎回ユニークだ。もし、次回作があるのなら何になるのか?】
僕が監督した「青い青い空」という映画は「書道」を題材とした作品。現代はコンピューター全盛の時代だが、多くの人が大切なことを忘れている。それをどうやって伝えようか?と考えていたとき、アナログの文化である「書道」に素晴らしい発想があることを知り、それを物語にしたのだ。
「向日葵の丘」ではバブル崩壊を経て、
10年以上も続く不況の時代に忘れられている大事な事を伝えるために、あえてバブル前夜とも言える1983年を舞台と現代の両方を比較する物語を作った。「青い青い空」は「書道」だったが「向日葵の丘」は「1983年」が題材といえる。
通常なら「書道映画」で評価されたのだから、次回作には「将棋」とか「囲碁」「俳句」とか古い文化を持ってくるのが定石だが、「書道」以上に何かを伝えられるものが見つからず、別の分野を探すことになったのだ。それに「文化」を題材に次回作を撮ると、一時の周防正行監督のように「相撲」=>「シコふんじゃった」「社交ダンス」=>「Shall We Dance?!」という路線を期待され、難しい展開となることも感じた。
たぶん、周防監督も「次は?」と考えて、悩み。10年も新作にかかれなかったのだと想像する。僕もあちこちから「次は盆栽でどう?」とか、いわれたが、書道題材の「青い青い空」以上のものはできそうになく悩んでいた。そんなときに311。過労で寝たきりになっていたベッドで観たテレビ中継。福島第一原発の事故。そこから興味を持ち、原発を勉強して「朝日のあたる家」を監督することなる。
あの映画は原発事故の悲惨さを伝えるだけではなく、究極の不幸が訪れたときに、本当に大切なものが見えて来ると思えたからだ。日常生活の中で忘れられている大切なもの。それを描く事ができると感じた。そのあとが先に説明した「向日葵の丘」。そう考えると僕の映画の題材は「書道」「原発事故」そして「1983年」とバラエティに富んでいる。
デビュー作の「ストロベリーフィールズ」も
説明しておくと、所謂、「幽霊ファンタジー」である。48時間だけ時間の猶予を与えられた女子高生の幽霊がこの世でやり残したことをやる...という物語。タイムリミットを設定することで、やはり一番大切なことは何か?考えてもらおうと考えた。
僕の映画は毎回、何かの題材や設定によって、忘れがちな「大切なものは何か?」を伝える物語。ただ、その中で少しずつではあるが、フォーカスするものが明確になって来ている。当初は「親子に伝える大切なもの」といえるテーマだったが、「朝日のあたる家」のあたりから「幸せって何だろう?」という一歩進んだテーマが見えてきた。「向日葵の丘」もまさに同じ。多香子(常盤貴子)たちの30年近い物語を見つめ、多くの観客が自身の人生を重ね、いろんなことを考えてくれた。
では、第五作目。
まだ、そんな依頼はないのだけど、もし、作るとしたら、次回作は何を題材にすればいいのか? どんな物語を作ればいいのか? 前回の記事でも書いたが、「向日葵の丘」がもの凄く評判がいいだけに、次回作はちょっとやそっとでは「前の方がよかった〜」と確実に言われる。だから、かなり悩んだ。「向日葵」を超える話はまず10年は思いつかないと思っていた。それが「向日葵」のカラコレをしているとき、ふと思いついた物語がある。
実は10年前に考えていた企画なのだけど、それはもう今の時代では通用しづらい設定になっていた。でも、その設定を少し直せば。。。。と考えていて「おー行けるかも?」と思えた。そこからスタートして、あれこれ考え続けて、もしかしたら「向日葵」を超えないかもしれないけど、限りなく迫る感動作になるかも?と思えて来た。
これはもうホント神の救いと思えるほど奇跡。その題材は「書道」「原発事故」「1983年」に続いて、****。えーーと思うだろう。ただ、本当に「向日葵」に迫る話になるか?は分からないし、何よりシナリオもできていない。そのあとに製作費集めだ。先はまだまだ長い。
また5年ほどかかるかもしれない。
その前に今回の疲労困憊でまた半年ほどダウンするかも? 過労死もあるし。いろいろと多難だが、この物語はかなり行けると思えている。主役俳優のイメージもある、常盤貴子さんに続いて、ぜひ出てほしい女優さんはあの****さん。誰でも知ってるあの人!
ま、「向日葵」のときもそうだったが、出演OKをもらったのではなく、こちらで勝手にイメージしているだけだ。常盤さんのときもそう。シナリオライターを演じられる女優???と考えていて「常盤さんがいいなあー」と1年以上前から考えていたら、本当に出てくれることになり感激した。
同じように今回もそんな奇跡が起こらないとも限らない。いろいろあるが、その物語をここ数ヶ月。考え続けている....。うっしし。
2015-11-01 20:27
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