懐かしい布施の思い出が「向日葵」のあのシーンに! [インサイド・ストーリー]
高校時代の多香子(芳根京子)やみどり(藤井武美)が学校帰りに本屋で「スクリーン」誌を立ち読み。映画館に寄って次回上映作品をチェックする場面。ここは僕の高校時代の思い出をベースにしている。
高校は大阪。進学校でギスギスした校風。管理教育。無気力な生徒。まるで少年院のようなところだった。僕の成績は最悪で、教師からはいつもうるさく言われていたが、授業は退屈。人生最悪の3年間。そんな時代の希望が映画だった。が、高校生の小遣いは少なく、観る映画は映画雑誌で厳選。どの映画が大阪で上映されるかを確認して観ていた。
高校は近鉄沿線。当時、僕は奈良に住んでいた。帰りの電車でよく途中下車したのが「布施」映画館が5館あり、そこをウロウロした。今では4館がなくなり、町もすっかり奇麗になり、昔の面影は少ししか残っていないが、今も訪れると懐かしいものがある。
その布施にある映画館、ニューラインシネマで「向日葵」が上映されると聞いたときは大喜びした。まさに、劇中の多香子たちのシーンは布施の思い出なのだから。その布施での上映が本日で終了する。商店街ではポスターを貼ってくれて応援。大阪中から多くの観客が訪れた。
残念ながら舞台挨拶はできなかったが、この町で「向日葵」が上映されたこと。本当にうれしかった。38年前に毎週のように訪れた町。映画を観ることだけが希望で。将来に希望を持てなかった時代。ハリウッド映画だけが応援してくれた。そんな映画を観た町での上映が本日(10月16日)で終わる。
2015-10-18 05:28
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