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【「ラブ&マーシー」=ビーチボーイズの苦悩が胸に刺さる映画】 [映画の話]

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このところ映画を見る余裕もなかったが、次の打ち合わせが3時間ほど延びたのでラッキー! ネットでその時間から観られる映画を探した。で、見つけたのがこれ。ビーチボーイズのブライアン・ウイルソンの伝記(?)物語。

ビーチボーイズといえば説明無用。1960年代の大人気バンド。日本ではビートルズとベンチャーズが人気を二分したが、アメリカではビートルズVSビーチボーイズだった。「1983年」風にいえば聖子派VS明菜派というところ。

僕の高校時代は70年代後半だが、アメリカン・ポップスが好きでビーチボーイズもよく聴いていた。「アメリカン・グラフィティ」に使われた「サーフィン・USA」と「オール・サマー・ロング」が印象的だった。分かりやすくいうと、山下達郎やチューブの元祖というバンドである。

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だが、その超人気バンドもさまざまな苦労と事件があったことを描くのが、この映画。昨年ヒットしたイーストウッドの「ジャージーボーイズ」路線の物語である。フォーシーズンスでも、ビーチボーイズでも、世界中にファンがいて、今も残るスタンダードナンバーを何曲も持つスーパーバンドで、メンバーは大金持ちなのに、その生活は荒み、いがみ合い、病んでいた。

表面だけ見ればアーティストはうらやましいばかりだが、曲を作るための苦悩。嫉妬。仲間内の争い。親族の暴走。それを知ると有名になること。金持ちになることは決して幸せではないとも思える。金儲けの道具として利用しようと、笑顔で近づいて来る輩。権利を勝手に売り払う父親。ため息のでることばかり。

僕は決してブライアン・ウイルソンのように有名でもなく、成功もしてないが、ここ数年、似たような事件が多い。たかだか無名の映画監督でも、笑顔で近づいて来て、利益を横取りしようとする連中がいる。「監督の力になりたい」といいながら、裏で映画を食い物にしようとする。嫉妬心から悪口をいってまわる業界の知人もいる。誤解される事も増え、次第に人が信じられなくなる。

金持ちにならなくても、有名にならなくても、業界で前に進もうとするだけで、批判、否定、妬み、いろんな思いをぶつけられる。たぶん、ブライアン・ウイルソンなんかは、その100倍、いや1万倍くらいの思いをしているだろう。

それを乗り越えて成功したときに金も名誉も手に入るのかもしれないが、心がボロボロになり、誰が味方か?分からなくなり、不信感が募り、そんなことで経済的に潤っても本当にハッピーと言えるのか?と考える。

ブライアン・ウイルソンが、そんな心なき人々が寄ってたかって、食い物にされ、心も体もボロボロになって行く様を描いたのがこの映画である。エルビス・プレスリーの人生を見てもそうだが、有名人は決して幸せではない。本当に幸せなのは誰なのか? 実は名もなき、庶民こそが一番ハッピーなのではないか?と思えて来る...。

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