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映画「向日葵の丘 1983年・夏」撮影現場ルポその24 [撮影ルポ]

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~田中美里、常盤貴子、別所哲也が揃っての撮影が開始~

by 永田よしのり(映画文筆家)

 5月4日、快晴。
 巷ではゴールデン・ウィーク後半で、そろそろ帰省先から自宅へ戻ろうかという動きも出始める頃。

 撮影スタッフは朝7時から、島田市内にある島田病院を借りての撮影に向かった。

 今日はここで田中美里演じる大人・みどり、常盤貴子演じる大人・多香子、高校生の頃の多香子が少し憧れていた近所のお兄ちゃん将太が大人になった大人・将太を演じる別所哲也の3人が撮影に参加することに。

 総合病院での撮影であり、市民俳優も5~60人の人たちが病院の廊下や待合室などで、混雑している病院の様子を表現するために参加している。

 監督からは「映画に参加してくれている市民俳優のみなさんは、撮影本番までここで待つこともお仕事になります。ですが皆さんの協力なくしては撮影はできません。今日はよろしくお願いします」と挨拶。
 その言葉に拍手で応える市民俳優の方々。

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 島田病院は島田市で一番大きな総合病院。駐車場も広大で、日曜日の本日は通常診療は休止。だが一般の見舞い客などはやって来るために、映画撮影のことを知らないでやって来る人も。

 スタッフはそんな見舞い客にも丁寧に映画撮影の概要を説明していく。

 まずは廊下での病院の様子などを撮影。

 薄暗い廊下は、これからの多香子とみどりの再会場面での、多香子の不安な様子をかきたてるようにも感じられる。

 待合室などで座っている市民俳優たちは、どうしても顔見知り同士で固まってしまう傾向があるために、助監督からみんなそれぞれにバラバラに座ってもらうように指示が出る。

 1階廊下場面で市民俳優たちの動く導線を決めて、大人・多香子の歩く速度、動きの流れなどをテスト。

 キャメラは多香子の動きを追うために手持ちの目線キャメラで撮影。この時廊下を移動して撮影を続けていくためにスタッフの足音が聞こえないように靴を脱いで、皆が靴下だけになっての撮影。このあたりのプロの動きは実際に現場で見ないと分からないことだろう。

 そのシーンを終えた後は、大人・将太とその子供たちも参加、将太と多香子、みどりの主治医とが、廊下でみどりの病状について話す場面を撮影。

 大人・将太を演じる別所は、ロケ地でもある島田市出身の俳優。この話が来た時から「自分の地元、島田市で撮影する映画にはぜひ参加したい」という思いがあったと言う。

 撮影合間には自分の子供役の男の子、女の子とも優しく接し、自然に親子のような関係性を構築しようとしているように見える。

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 病院でのロケについて監督は「実際に人の生き死にがある場所、病院でしかない空気感を出すために、こうした本物の病院での撮影は必要なものなんです」と語っている。

 確かに病院の廊下場面や、病室の場面などはセットでも撮影が可能な場面でもある。しかしながらこうした実際の病院を使用することで、そこでの空気感は間違いなく出てくるものだろう。

 なにぶん市民俳優の人数も多く、カット割りも細かくしていったために、意外と病院廊下での数シーンは時間を要した。

 少しの休憩を挟んで、次はみどりの病室で、多香子とみどりが再会するシーンが撮影されることになる。(つづく)
 

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