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試写会の感想【 上質の涙の映画!太田監督最新作「向日葵の丘」を観た 】 [観客の感想]

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【 上質の涙の映画!太田監督最新作「向日葵の丘」を観た 】

by ヤン・カワモト(映画監督)

あ、日本でも「ニュー・シネマ・パラダイス」が誕生するんだなと思わず涙した映画「向日葵の丘」を観てそう感じた。

一連の「おなみだ映画」とは確実に違う、太田監督の創りだす上質の涙、強く厳しい涙がとても光る映画だった。

映画を見終わり、2時間近くある映画だなと思って調べたら、なんと本編時間が”2時間20分”と、稀に見る長編劇映画。しかし、その長さは全然感じさせなかった。映画中盤にある(ネタバレはしないと思うので言うが)主人公が車窓にたたずむ様子。それは台詞もなく静かだがとても力強いLONGカットだ。

試写を見終わり、太田監督とお話したが、ボクが「あそこで終わるのもスタイリッシュでイイですよねー。」と不躾にも発言すると、、、太田監督「それもありですよね」と怒ること無く、むしろ笑みを浮かべた。太田監督のその少年のような笑顔が、本当に映画を愛する人だと感銘してしまった。
「幸せのある場所」を探す者達の映画だと、感じた。そして、その事はボクも大きなテーマの一つだったので、とても興味がもてた。その事は太田監督も大きく頷いていた。

素直に、まっすぐと丹念に一人の女性を通して、時の移り変わりに翻弄され、自分のココロが移り変わる様子を描きながら、それはすなわち今の日本が歩んできた、この30年間を投影した光と影の日本の”経歴”でもあった。

前半部分で、高校生の時の主人公が映画館の中で涙するシーンは圧巻だった。しずかで何も説明がないまま、彼女たちが流す青春の涙を観た時に”この映画は強い”と実感。その以後がグイグイ引き込まれる。映画中盤の例の車窓の常盤貴子さん演じる主人公の現代の姿は「幸せの場所」を暗示する。

しかし、映画はその以後も丹念に現代の様子が描かれていく。えっ?幸せの場所の「答え」を見せてくれるの?と、ボクはすでに映画の虜になっている。2時間20分はあっという間だった。あの、こだわりの車窓の主人公のカット。。。。

「実は、映画はここからが始まりだともいえる」とは太田監督の言葉。

キャティングも豪華で適役。「今回は特に、出演していただきたい役者の方に演じてもらえて、とても幸せだった」と配役へのこだわりを告白してもらった。常盤貴子さん、田中美里さん、藤田朋子さん、烏丸せつこさん、別所哲也さん、そして映写技師の津川雅彦さんと、並べ上げればきりがないほどの俳優陣。なんとも羨ましい顔ぶれだ。そして、常盤貴子さんが映画の中で見せてくれる「涙」が毎回違う事に、感動した。時に悲しく、時に厳しく、そして切ない涙を上手に演じている。

太田監督曰く「あのシーンは、台本上は常盤さんが演じる主人公が泣かないシーンだった。でも、演技中に泣き出した。僕はそれでいいとおもった。」と、裏話をボクにそっと教えてくれた。ボクは「そうか、監督をほめたけど、じつは役者が良かったのかなー」と暴言をはくと、やはり太田監督は笑顔で返してくれた。ボクが不覚にもこの映画で4回泣いてしまったお返しだ(笑)

この映画をみて、自分の『幸せの場所』を見つけてみてはどうだろう。

太田監督!ほんとうに素敵な仕事を見せていただきました。感謝!!

★常盤貴子主演「向日葵の丘」8月22日 東京から公開決定!★
東京の上映がヒットすれば、全国公開もされる。是非、観てください。

by ヤン・カワモト(映画監督)


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