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町おこしのための地域映画が成功しない理由?⑨映画界はハイエナばかり? [町おこし映画の問題点]

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わが町をアピール。観光客に来てもらうために映画で町を宣伝。その効果はもの凄いものがあり、対費用効果もかなりなものがある。が、多くの町ではその試みに失敗している。その理由をこのシリーズで紹介して来たが、書いていて感じるのは、地元の勉強不足。そして、映画作りなのに、そこに古い価値観や別の業界の方法論をはめ込もうとするからだと感じる。

映画作りは町に美術館等の箱ものを作るのとは違う。そして、映画自体が町を宣伝するのではなく、まず物語ありきで、それに観客が感動してこそ、その背景となる町がアピールするのに、その映画自体をPRと思い込み、本筋とは関係なしに主人公に町の名所を紹介させたり、産物を食べさえたりと。物語はそこそこにして、そちらに力を入れるという大きな勘違いが多い。

映画による町おこしを成功させるなら、まず地元関係者が映画作りを研究。同時に宣伝アピールを勉強することが必要だと思える。というのも、町の要求で映画自体をダメにするだけでなく、映画会社にダマされて町が利用されることもあるからだ。

ある町に映画会社が出資を求めて来た。「3千万円出しませんか? そうしたら、おたくの町でロケしますよ。総製作費は1億円です」と。その町の人たちは、美味しい話だと思った。その映画会社は中堅だが、まずまず名の知れたところ(業界関係者なら誰でも知る企業)だったのと、1億円の映画を3000万出すだけで、町の宣伝アピールに使える。そう思って、快諾。「有名な会社だから安心だ」と町の人たちが総出で応援した。

が、実は、その映画は1億円ではなく4000万円で作られた。町から3000万。映画館グループから1000万。映画会社からは0円。要は、自分たちは出資せず、映画館グループからの出資は宣伝費に使い。町の金だけで映画を撮ってしまったのだ。ロケ地は金さえ出せば、結局どこでもよかったのだ。

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映画公開後。町はその会社に、ある大きなイベントで町の宣伝ブースを出す。映画ロケもされた町であることを伝えたいので、映画のスチール写真を貸してほしいと頼んだ。答えはこうだった。「肖像権があるので、その種のイベントにスチール写真をお貸しすることはできません」その後もいろいろ頼んだが、全て拒否された。町の人々は激怒した「あんなに金出したのに写真の1枚も貸さないなんて!」だが、もともと、映画会社にその町に対する思いとか「町おこし」を応援する気持ちはないのだ。

町から3000万を引き出し、自分たちは金を出さず。儲けだけを取りたい。そんな発想で映画を企画したのだ。ちなみに、自治体は営利活動には参加できないので、町が出した3000万は広告費として出している。なので、映画がどんなにヒットしても、利益はもらえない。収入は映画会社と出資した映画館グループが山分け。会社は諸手で粟なのだ。


「映画で町おこしが流行っているから!」と手を出した結果がこれ。映画界にはそんなハイエナのような連中が多い。いや、そんな奴らがほとんど。そのくせ、地元は故郷愛のある映画作家たちには「この公園を使ってもらわないと!」「この産物を紹介してほしい!」と要求。作家のやる気を削いだ上に、単なるPR映画映画にしてしまうことが多い。ある後輩監督は古里が大好きで地元で映画を撮ったが、そんな要求の連続で映画を歪められてしまい、絶望。「二度と古里では映画を撮らない」と宣言した。

映画作りだけでなく、地方は同じような愚かな行動をしていることが多い。地元を愛する若者を踏みつけるので、彼らは都会に出て行き帰ってこない。そのくせ魂胆が見え見えの大手企業や有名ブランドに飛びつき騙され、利用される。本当に地元のプラスになるのは何か? まず、それを再確認すること必要だと思える。


 続き=>http://aozoraeiga.blog.so-net.ne.jp/2016-10-21-1





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