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映画「向日葵の丘 1983年・夏」撮影現場ルポ その18 [撮影ルポ]

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~いよいよ常盤貴子が撮影現場に!~

by  永田よしのり(映画文筆家)


 5月2日。巷ではゴールデン・ウィークの真っ只中。
 世間では休日モード、テレビのニュースなどもどこそこの高速道路は渋滞が何十キロとか、観光地の人手が記録だとか、海外に出かけて行く人が前年比何%とかを伝えている。
 しかし映画撮影は、そんな世間のお休みモードとはまったく縁もないように進んでいく。
 そして、このルポではいよいよドラマや映画で多数出演作品のある常盤貴子が登場することに。
 ルポを読まれている方にここでひとつ説明しておくと、映画「向日葵の丘 1983年・夏」には多香子という主人公がおり、その多香子を3人の女性が時代を経て演じている。つまり、便宜上ルポでは常盤貴子演じる多香子を大人・多香子。芳根京子が演じる多香子を高校生・多香子。少女時代を演じる市民俳優の女の子を子供・多香子と表記していきたいと思う。

 読んでいる方には、描かれる場面での演者が誰なのかをそれで判別していただきたいと思う。
 さて、常盤さんの撮影は、僕が一時帰京していた4月30日から始まっており、実質的には撮影2日目となる。

 挨拶しながら、撮影のことを聞いてみると、本人は撮影が始まる前日・29日からロケ地入りしており、島田市内を一人であちこち散策したのだそうだ。

 それは今回撮影される場所の空気感を自分の中に取り込むのと同時に、自分が役のうえで暮らしてきた場所を、自分の目で見て知っておきたかったから。

 さらに自分の演じる大人・多香子の、高校生時代を演じている芳根京子の撮影場面も見学している。
 それにより高校生・多香子の特徴なども、自分の演じる大人・多香子に投影させていくのだそうだ(このあたりのお話は、劇場用パンフレットのインタビューページに詳しく語られているので、興味を持たれた方はぜひパンフレットを読んでいただきたい)。こうした役を演じるうえでの積み重ねが、映画の中の多香子にリアリティを持たせていくのだろう。

 この日は早朝6時半に宿泊所を出発。雲ひとつない晴天。今日は雨の心配はなさそうだ。

 まずは金谷から大井川鉄道が通る新金谷駅に向かう。そこで電車から降りて来る大人・多香子の姿を撮影することから始まる。

 僕らも含めて撮影スタッフは朝7時15分には駅前に集合、スタンバイ。ここは夏にはアニメ「きかんしゃトーマス」の実物が走るイベントも開催されている。ゴールデン・ウィーク中も鉄道イベントがあるため、一般客も多数駅を利用する。なので早朝から午前8時45分頃までの時間限定での駅前撮影となった。

 駅前撮影のために作業は迅速に。

 キャメラはスタッフ車の上に設置され、俯瞰で役者たちを撮影する形に。通行人としての市民俳優たちもスタンバイ。

 この駅は高校生・多香子たちも利用していた駅のため、多香子(芳根京子)、みどり(藤井武美)らが乗降する場面も撮影される。カットとしては人物たちが通り過ぎるだけのシーンなのだが、場所を描写するには重要なシーン。観光バスも近くを発着するために、のんびりと撮影していると時間がどんどん過ぎてしまう。

 まず撮影された高校生・多香子と高校生・みどりの駅から出て来るシーンは、一発でOKとなる。見ていると多香子(芳根京子)は、アドリヴなども少し入れられるようになってきている。撮影に慣れたこともあるのだろうが、顔つきも撮影当初の頃に比べると余裕があるように見えるし、少し大人の顔つきになってきたような気がする。

 そんな撮影はスタッフ同士のワイヤレスシーバーで、一般の人の往来や車の行き来を確認して伝えながら、撮影のタイミングが計られている。

 そしていよいよ大人・多香子役・常盤貴子の出番。
 今日の衣装は白で統一されていて、常盤の透明感を際立たせるように見える。
 駅前を通り過ぎるシーン撮影。午前8時35分。早くも陽差しが強くなりつつある。歩いて来て立ち止まる場所にスタッフがバミ(位置を決める、示すためにその場所にガムテープなどを貼ること)をする。もちろん本番では剥がされるのだが、テストの時には必要なものだ。

 ベージュのカバンを脇に抱えた常盤が駅前を歩くシーンは、すんなりと終了。8時45分。ほぼ約束された時間通りに終わることが出来た。監督と常盤は撮影がひとつ終了したところで雑談も含めてコミュニケーションを取っている。

 聞いていると、どうも本編の撮影以外の話で盛り上がっているようだ。
 気持ちが追い詰められていたりする時はそんな話は出来ないだろうから、常盤自身も撮影には不安を感じていないのだろう。

 新金谷駅前での撮影を終了して、スタッフはテキパキと次の撮影現場・河川敷へと移動。
 そこでは多香子の子供時代のある日のシーンが撮影されることに(つづく)。
 

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