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映画監督残酷物語? 監督業だけでは生活できない。 [【再掲載】]

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「映画監督ってお金持ちだし、女優さんにモテるし、

華やかな世界で仕事ができて凄いわね〜」と、言われることがあるが、それはスピルバーグやルーカスのようなビバリーヒルズに豪邸を持つハリウッド監督のことで、日本の映画監督は本当に貧しい。映画だけで食っていけるのは多分5人くらいだろう。

日本映画黄金期の監督たちは裕福で、豪邸に住んでいた人も結構いたが、それは昔、昔の話。あの世界の巨匠・黒澤明監督だって晩年はマンション暮しだった。おまけに多くの監督は巨額の借金を背負っている。それが日本の現状だ。

考えてほしい。1年に監督できるのはせいぜい1本。がんばって2本。準備だけでも1年以上かかる。3年4年かかって準備ということも多い。なのに監督料というのは製作費の8%が相場。1億円の映画なら800万円。それで2年かかれば、1年400万。月給は40万前後。中堅サラリーマンと変わらない。でも、1億の映画を監督できるのは、巨匠だけ。

現在の映画。3000万円クラスが最低予算

(マイナーではもっと安い信じがたい予算で製作しているところもある)3000万の8%は240万。ということは月給20万。大卒の初任給以下となる。それどころか、その僅かなギャラをプロデュサーは下げようとする。そして3000万の映画だってなかなか監督することはできない。つまり年収前年0円。本年240万円。翌年0円。というのが映画監督の年収なのだ。

監督をしなければ収入はない。当然、副業をして生活する。テレビでコメンテーターしたり、討論会で「バカヤロー」と言えるのは巨匠クラスだけ。無名監督たちができるのは映画学校の講師くらいしかない。それも空きがなかなかない。一度、担当したら何年も続けるので短期なんてない。だから、商品説明のPVを演出したり、編集の仕事をしたり、テレビのドキュメンタリーをやったりして食いつなぐ。

中にはアルバイトでアダルトビデオの仕事をして、そっちの方が収入がいいので、そのままアダルト監督になってしまった人もいる。また、「映画監督」と名乗りながら映画は過去に1本撮っただけ。それ以来10数年。監督としてない。という人もいる。

多くの監督は自分でカメラをまわせない。

シナリオも書けない。編集ができない人も(つまり、パソコン編集機を使いこなせない人)多い。映画監督なんて現場では偉そうにしているが、1人では何もできないのだ。何だか議員と同じで落選すればタダの人ーと同じで、監督しなければタダの人なのだ。だから、副業といっても難しい。それが映画監督の実情なのだ。

それに対してスタッフは現場さえあれば、仕事ができる。カメラマンだって、照明部さんだって、録音部、美術部。手に職がある。映画でも、ドラマでも、仕事はたくさんある。助監督だって、人手不足で、腕のいい人は引っぱりだこ。彼らは年に何本も仕事ができる。だから、生活に困らない。

が、監督は優秀でも間抜けでも1年に撮れるのは1本くらい。毎年、監督をする人もやはり日本には10人いないだろう。それが映画監督の実態。だから、昔の女優は監督と結婚したが、今はIT企業の社長と結婚するのだ。

大変でしょう? 

でも、監督した作品が多くの観客の心を打ち、その人の人生を変えてしまうことがある。だから、貧しくても、苦しくても、全身全霊で作品を作る。ま、そうでない人も多いのだけど、作品が歴史に残る。だから、皆、がんばっているのだ。


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