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「向日葵の丘」監督日記ー映画音楽③ 物語の世界観を歌で例える? [MA]

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前々回の①で少し書いたが、新作の物語を考えるとき、ストーリーも大切だが、まず、アイディアが決まったら、その作品の世界観を考える。空気というか、匂いというか、明るさや、雰囲気。それが映画にとって大切。

名作映画を思い出してみると分かるが、それぞれに個性がある。だが、それを言葉で表現するのは非常にむずかしい。そこでいつも、誰かの歌を選び、自分なりの指針とする。

「ストロベリーフィールズ」はカーペンターズの「青春の輝き」はかなくも美しい、10代で死んで行く少女たちの物語はまさに、あの歌のイメージ。エンディングの主題歌もその線で作ってもらった。

「青い青い空」はスプリングスティーンの「ハングリーハート」。ポップな歌で、みんなで歌える(コンサートでは必ずブルースが客に歌わせる。が、日本人には歌詞がむずかしく、東京公演では皆で合唱とはいかなかった。僕もサビ以外は歌えない!)でも、それでいてロックな歌。そのイメージでシナリオを書いた。

「朝日のあたる家」はもともとアニマルズの歌。でも、物語のイメージはスプリングスティーンの「ザ・リバー」。あの歌はまるで1本の映画のようなストーリーがあり、胸に突き刺さる。ひたむきに生きようとする若い青年。やがて結婚。でも、貧しさと不幸の悲しい物語。「朝日」の平田家がダブる。

そして今回の「向日葵の丘」これはストーンズの「タイム・ウエイツ・フォー・ノーワン」ネタばれするといけないので詳しく解説はしない。が、この歌をご存知の方でシナリオを読んでいれば「あ〜なるほどね〜!」と思うだろう。

映画は映像であり、音であり、音楽であり、芝居。でも、スタート時はシナリオという印刷物。活字で全てが表現されている。その段階で、映画の匂いやテイストを伝えるのはもの凄く難しい。また、自分の中でも、まだ物語の世界観が完全に出来上がっていないので、こんなふうに歌を決めて進める。というのが僕のやり方だ。


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