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夢見る力シリーズー「僕には夢がある」といいながら何もしない人たち? [My Opinion]

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「夢」を追いかける話を何度か書いたら、

いずれも好評。今回はあるFB友達から頂いたコメントで思い出した話を紹介する。ちょっと辛口だが、若い夢追う人たちの参考にしてほしい。

僕が20歳くらいの頃。まわりには、いろんな夢を追う友人たちがいた。「俳優になりたい」「映画監督が目標だ」「ミュージシャンになりたい」「小説家を目指している」「カメラマンになる!」皆、ことあるごとに夢を語り続けた。

だが、彼等のほとんど、いや、全員といっていい。誰1人夢を実現することはできなかった。早い者は1年以内に消えて行き、長くても5年経つと、彼等はもう夢を語ることはなく、就職するか、連絡が来なくなった。あれから30年が経つがその後、彼等がどこかの業界でがんばっているという話は聞かない。

大人が聞くと「世の中甘くないからな〜、

夢はしょせん夢でしかないんだよ」と、訳知り顔で語るだろう。が、違うのだ。彼等の思いはこんな感じだ。最初は本気で「俳優になりたい!」と思ったとしよう。バイト先で夢を語る。まわりの目が違って来る。

「あいつ俳優目指してんのかよ?」とバカだと思う奴もいるが、目的を持たずに生きている若者からすると「スゴイな」と思う者も多くいる。特に夢を語る男は女の子たちからも注目される。大人たちも「**君は俳優を目指しているのか? 今時の若者は遊んでばかりいると思っていたけど、目的を持ってがんばっているなんて偉いな?」と認めてくれる。

つまり、「夢」を語るだけで、まわりが一目置き、

認めてくれる。「あいつは、その辺の奴と違う」特別視してもらえる訳だ。そんな人たちは元々、演劇や映画。音楽が好きなので、語るのは得意。「この間***さんの舞台を観てきたけど、感動した。僕も彼のような役者を目指したい」とか「***監督の映画は特撮が下手だ。オレがやればもっと上手くできる」とか話をすれば、「やっぱり、この人は違う」と思われる。

20歳前後は「オレはその辺の奴とは違う」「僕は特別だ」と思いたくて仕方ない年ごろ。「何か自分にはできるはずだ!」という根拠のない自身があったりする。「夢」を語り、まわりが認めてくれることで、そんな自尊心を満たされる。そこで多くは満足。何もしなくなる。演劇学校や映画学校に通うくらいだ。

それでいて、恋人がほしい。

旅行にも行きたい。ビデオデッキがほしいとバイトをする。専門学校とバイトだけで日々がどんどん過ぎて行く。最初は「俳優になるのが夢だ」と語るだけで、まわりはチヤホヤしてくれるが、やがて展開を求められる。「舞台に出る」とか「映画に出演する」とか、端役でもエキストラでも、展開がないとまわりは冷めて行く。

作家を目指すなら、いきなり小説が出版されなくても、文芸賞に応募したとか、予選に受かったとか、映画監督を目指すなら自主映画を撮るとか、プロの現場の手伝いをするとか、何か夢への1歩前進を皆に期待される。でないと「結局、あいつは口だけだったんだな」と一目置かれるどころかバカにされるようになる。

すると彼等の多くは「今、小説を書こうと準備しているんだ」とか「芸能プロダクションに応募する」とか、努力しているようなことをいう。が、相変わらず学校やバイトの日々。彼等はどう思っていたのか? 最初は真剣に夢を追いかけていたが、具体的にどうしたらいいか?分からない。とりあえず学校には毎日行き、バイトもする。が、昔の漫画のように、ある日、街角でぶつかった人が有名なプロデュサーで「君、映画に出てみないか?」と言われることなんてない。有名女優の相手役の一般オーディションに応募してもまず通らない。

彼等なりに悩む。ただ「どうすればいいか?」

具体的に考えるのではなくただただ悩む。その間に歳月が流れて行き、やがて夢を語ることはなくなる。ずる賢い奴は「今、作品を準備している」とか「大手プロダクションに紹介してくれる人がいる」とかウソをついてでも、まわりに認め続けてもらおうとする。が、それも限界がある。

やがて、卒業。或いはバイト先を変えて、夢を語る自分を知らない人たちと付き合い始める。卒業して古里に帰る。就職をする。こうして彼等の夢は終わる。そんな友人たちを数多く見て来た。そのほとんどが努力して夢破れるのではなく、何も努力しないでいて、最後は「現実は厳しい...」といって諦めるのだ。

その最初の関門が「夢を語る」とき。

そのことで、まわりから一目置かれることで満足するようでは、そもそも駄目。それは夢を追うとかではなく、将来の第一希望を語っただけなのだ。

もちろん、まわりからバカにされる人もいるだろう。でも「オレは違う。今に見ていろ」と夢を追いかけている自分は違うんだと思い込み、自尊心を満足させ、結局、何もせず「夏休みになったら、時間があるから小説を書こう」「金が少し溜まったら、芸能プロへ売り込みをしよう」とか、自分に言い聞かせて、何もせず日々を送る。

結局、この手の人たちは「俳優になりたい!」とか「小説家になりたい!」とかではなく、「オレは特別なんだ」「注目されたい」という思いを満たしたいだけだということ。映画が好き、小説が好き、音楽が好き。ということがきっかけで、その世界に入れば、注目される、チヤホヤされるという思いに過ぎない。

それは悪いことではなく、

人は誰でも、人気者になりたいとか、尊敬されたいという思いがある。特に若い内はそんな気持ちが強い。本人は意識していないが、そんな思いを満たすために、「夢がある.....」と言い出してしまう。ただ、演劇でも、映画でも、小説でも、音楽でも、そんな気持ちでうまく行くことはまずない。

表現というのは、魂を削る作業だ。チヤホヤされること、他人の注目を集めることが目的でできるものではない。夢を語って、まわりに一目置かれ。それでもし、いい気分になれて、日常を過ごすだけでいられたら。その段階でアウト。「金が溜まったら」「時間ができたら」という人もアウト。20歳のころ。僕のまわりにいたそんな友人たちは、やがていなくなった。

若い友人に訊くと、今でも同じような人たちがいるそうだ。

「漫画家目指している知人がいるんだけど、それなら、**大賞とかに応募すればいいのに何もしない!」という。

でも、その段階で、知人は真剣に漫画家になろうとはしていないと思う。「漫画家になる」と語ることで「オレは特別なんだ」と満足したいだけだ。「オレには夢があるんだ」という言葉。本当に怖い。いつの時代も努力せずに、まわりの尊敬を集める魔法の言葉。大切なのは、自分が本当にやりたいことは何なのか? できることは何なのか?を知ること。まわりにどう思われたいか?で決めてはいけない。芸能界や音楽界の派手な見せかけに惑わされてはいけない。


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